2016年7月9日土曜日

迎撃システムTHAAD(サード)の韓国配備(1):あまりにもバカバカしい韓国外交の結末

_

●THAAD(サード)の概念図


ロイター 2016年 07月 8日 11:48 JST
http://jp.reuters.com/article/southkorea-usa-thaad-idJPKCN0ZO07L

米韓、最新鋭迎撃システムの韓国配備を正式決定
 


●7月8日、韓国国防省は、北朝鮮のミサイルに対処するため、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを米国とともに最終決定したと発表した。提供写真(2016年 ロイター/U.S. Department of Defense, Missile Defense Agency)

[ソウル 8日 ロイター] -
 韓国国防省は8日、北朝鮮のミサイルに対処するため、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを米国とともに最終決定したと発表した。

 同省は声明で、同システムは北朝鮮からの脅威に対抗することのみを目的として、「近いうち」の配備を目指すとした。

 同システムをめぐっては韓国の配備に中国が反対していた。
 韓国側によると、韓米のワーキンググループが最良の配備場所について決定する準備を進めているという。



【共同通信】 2016年 07月 8日 13:03 JST
http://jp.reuters.com/article/idJP2016070801001126

米迎撃システムを韓国配備へ

 【ソウル共同】
 米国と韓国は8日、北朝鮮の核・ミサイルに対する防衛措置として、米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを決定したと発表した。
 場所は最終調整中で「速やかな」配備を目指すとしている。

 THAADのレーダーは探知距離が広範囲に及び、中国やロシアが自国の監視につながると強く警戒。
 中国外務省は「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。

 米韓は共同発表文で
 「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対してのみ運用するもので、(他の)いかなる第三国に向けたものではない」
と強調した。



ロイター 2016年 07月 8日 12:46 JST
http://jp.reuters.com/article/southkorea-usa-thaad-china-idJPKCN0ZO09X

中国、米韓にTHAAD配備中止を要求

[北京 8日 ロイター] -
 中国外務省は8日、米韓が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍への配備を決めたことに強く反対すると表明、配備の中止を求めた。

 同省は、THAAD配備は朝鮮半島の平和と安定に資さないと表明。
 中国など複数の国の安全保障に深刻な悪影響を及ぼすとの認識を示した。


朝日新聞デジタル 7月9日(土)0時2分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160709-00000003-asahi-int

米韓、ミサイル防衛強化 THAAD配備、中国は反発

 米韓両国は8日、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の在韓米軍への配備を最終決定したと発表した。
 遅くとも2017年末までの運用開始を目指す。
 北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛は強化されるが、朝鮮半島への影響力を巡る日米と中国の綱引きはより激しさを増すことになる。
 中国は同日、配備への不満を表明した。

 米韓両政府は配備の理由として、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を挙げた。
 北朝鮮は
 韓国に向けた短距離スカッドを約800発、
 主に日本を狙う中距離ノドンを約200発、
 米領グアムを射程に入れる中距離ムスダンを約40発、
それぞれ保有しているとみられる。

 これに対し、東アジアでの主な防衛体制は、
 韓国の地対空誘導弾パトリオット2(PAC2)、
 日本のパトリオット3(PAC3)とイージス艦に搭載される迎撃ミサイルSM3、
 米国のSM3とグアムに配備されたTHAAD
で構成されている。

 韓国国防省によれば、
★.在韓米軍に配備するTHAADは1個部隊で、発射台6基とミサイル48発などで構成される。
 射程数十キロのPAC2やPAC3に比べ、
 高度150キロでの迎撃も可能で、
 1個部隊の展開により韓国全土の2分の1から3分の2を防衛できる。

 THAADと同時に、弾道ミサイルを探知するXバンドレーダーも配備される。
 1800キロの範囲まで探知が可能とされ、すでに青森県、京都府にも配備されている。
 軍事関係筋は「複合的な運用で、SM3の迎撃能力を向上させることができる」と指摘。
 日本やグアム、さらには米本土の防衛にもプラスになるとする。

 一方、米韓は「朝鮮半島のTHAADはいかなる第三国にも向けられない」とし、配備を警戒する中国やロシアに向けては運用しない考えを示した。
 韓国国防省は8日、中ロ両国に配備決定を事前に説明したことを明らかにした。

 ただ中国外務省は8日、米韓の決定を受けてただちに声明を発表。
 THAAD配備を「中国を含めたこの地域の戦略上の安全保障の利益と戦略均衡を著しく損なう」と反発した。

 韓国は従来、経済的な結びつきが強い中国に配慮し、日米のミサイル防衛体制に入らないと繰り返し強調してきた。
 ただ、北朝鮮の脅威の増大から、6月末に日米韓で初のミサイル防衛合同演習を実施。
 HAAD配備も決めるなど、徐々に事実上の日米韓ミサイル防衛体制に傾きつつある。

 米韓関係筋は中国の反発について
 「THAADの配備阻止は既に諦めたと思う。
 さらに日米韓の防衛協力が進まないよう、韓国に圧力をかける思惑が強いのではないか」
と語った。



ハンギョレ新聞 7月9日(土)19時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160709-00024591-hankyoreh-kr

[社説]パンドラの箱開けた韓国のTHAAD配備


●THAADのTPY2レーダー探知距離

 韓米両国が8日、最新鋭の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD<サード>)を朝鮮半島に配備する決定をした。
 前日、米政府が北朝鮮の人権弾圧を問題視し、金正恩(キムジョンウン)労働党委員長を制裁対象に指定したことに続く強攻策だ。
 金正恩委員長を制裁対象に指定したのが北朝鮮だけを対象にしたものであるなら、THAAD配備は中国とロシアまで含めた北東アジア地域の政治、軍事、安保をめぐる対立をもたらし兼ねないより包括的な処置だ。
 今後の朝鮮半島では当分の間、対話と交渉は後回しとなり、対決と緊張が高じる危険な状況が続くものと見られる。
 THAAD配備決定で北東アジア危機の「パンドラの箱」を開けてしまったといえる。

■予想より激しい中国とロシアの反発

 韓米両国は同日、国防部で記者会見を開き、「在韓米軍にTHAADを配備することを韓米同盟のレベルで決定した」と発表した。
 両国は発表文を通じて
 「両国は北朝鮮の核と大量破壊兵器、弾道ミサイルの脅威から大韓民国と韓国国民の安全を保障し、韓米同盟の軍事力を保護するための防衛的な措置として(THAAD配備を)決定することになった」
と背景を説明した。
 THAAD配備に反対する中国とロシアを特に意識し、
 「THAADが朝鮮半島に配備されれば、いかなる第3国に向けられることなく、北朝鮮の核とミサイル脅威に対してのみ運用される」
と強調した。
 韓国政府も前日、中国とロシアに同様の趣旨の事前説明をしたという。

 しかし、この説明が中国とロシアにそのまま受け入れられるはずがない。
 中国とロシアはこれまで首脳レベルで数回にわたり、THAADの朝鮮半島配備が米中・米ロ間の戦略的バランスを崩すとして、公開の場で反対してきた。
 中国外交部は韓米両国の決定に直ちに外交部声明を発表し、「強烈な不満と断固とした反対」という極めて強硬な立場を示した。
 また、キム・ジャンス駐中大使を呼び出し、強い抗議の意を伝えた。

 中国とロシアの反発は二つの面で、韓国に大きな負担になりかねない。
★.第一に外交・安保的なもので、北朝鮮の核問題解決がさらに難しくなり、朝鮮半島周辺で「韓米対朝中ロ」の新冷戦構図が一層強化されるという事実だ。
 これまで韓国政府は、最大の安保脅威である北朝鮮の核問題解決のために、中国の協力を得るのに多大な努力を傾けてきた。
 日米などの反対にもかかわらず、朴槿恵(パククネ)大統領が昨年、中国の戦勝節記念式典に出席するなど、北京を通じて平壌(ピョンヤン)を懐柔するため尽力してきた。
 しかし今回の決定で、これまでの全ての努力が水泡に帰したと言える。
 さらに、今回の決定は韓国が日米主導の中国包囲網、ミサイル防衛網に一層深く足を踏み入れることになったことを意味する。
 韓国が中国とロシアの軍事状況を監視し、牽制する前哨基地となることで、韓米日対朝中ロの対立の中心に立たされることになった。
 北朝鮮の脅威を牽制するため配備したTHAADが、朝鮮半島の安保をより不安にさせる矛盾を抱えることになったのだ。

★.第二に、中国とロシアの反発は、韓国経済にも深い暗雲をもたらす可能性がある。
 中国の強い反発は貿易と観光など経済分野にどんな形であれ、悪影響を及ぼすものと見られる。
 韓国経済が中国に大きく依存していることを考えると、憂慮せざるを得ない事態だ。
 すでに市場では中国と関連した株が急落するなど、敏感な反応が表れている。

 他の要因を除き軍事的な面だけを見ると、THAAD配備が北朝鮮のミサイルの脅威を抑止するのに役立つ面があるのも事実だ。
 しかし、こうした論理は木を見て森を見ないようなものだ。
 THAADは、米国で実戦配備されたのがグアム1カ所しかないことから分かるように、
 まだ性能が十分に検証されておらず、
 価格も1式当たり1.5兆~2兆ウォン(約1300~1730億円)と巨額の費用がかかる兵器だ。
 専門家らは朝鮮半島の長さを考えると、THAADで北朝鮮のミサイルを迎撃するのは難しいと指摘している。

■朴槿恵大統領の全面的な責任

 朴槿恵政権は2014年6月、カーティス・スカパロッティ前在韓米軍司令官が初めてTHAAD配備を公論化させた後、年初に北朝鮮が4回目の核実験を行うまで、「要請も、協議も、決定もない」は3否政策を貫いてきたが、1月13日、大統領の年頭記者会見でいきなり配備する方針を示した。
 それまで米国と協議を続ける一方で3否を口にしてきたのなら、国民と周辺国を騙していたことになり、北朝鮮の4回目の核実験を受けて急に政策を変えたのなら、浅はかで感情的な反応だ。
 いずれにせよ、責任ある政府の姿勢とは言えない。

 政府の決定に伴い、国内ではどの地域に配備されるか注目が集まっている。
 軍当局は遅くとも数週間以内に敷地の選定結果を発表し、来年末をめどに作戦配備して運用を始める計画だと明らかにした。
 配備候補地に名前があがっている慶尚北道漆谷(チルゴク)郡などの地域では、早くも住民と自治体長らによる激しい反発と抗議が始まっている。

 最終的には朴槿恵大統領が配備を決定した当事者であるだけに、国内外への影響も全面的な責任を負わねばならない。



中央日報日本語版 7月10日(日)13時20分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160710-00000007-cnippou-kr

「韓中関係はこんなものだったのか」
…THAAD配置で沸き立つ中国世論

 過去最上と呼ばれた韓中関係が暴風雨の中に吸い込まれていった。
 高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの韓半島(朝鮮半島)配置決定がもたらした後遺症だ。
 中国外交部がTHAAD配置プロセスの即刻中止を要求したのに続き、中国国防部は
 「必要な措置を考慮するだろう」
と警告を出した。
 韓米がTHAAD配置決定を発表した8日夜、楊宇軍国防部報道官名義の談話を通じてだ。
 楊報道官は
 「韓米両国の行為を緊密に注視しており国の戦略的安全と地域の戦略的均衡のために必要な措置を考慮するだろう」
と明らかにした。

 「必要な措置」に対し具体的には言及しなかったが、戦略ミサイル部隊の移動配置など有事の際にTHAADを無力化するための案を示唆したと分析される。
 国防部が夜間に談話を出したのは極めて異例だ。
 日付が変わる前に断固とした立場を明らかにするという意志が読み取れる部分だ。

 市中の世論も沸き立っている。
 THAAD配置のニュースを伝える主要メディアの関連記事には激昂した感情を表出するコメントが相次いだ。
 「韓中関係はこんなものだったのか」
と失望感を示す書き込みと、
 「第2の抗米援朝(米国に対抗し北朝鮮を支援すること)を展開しなければならない」
という強硬論などがインターネット空間を埋め尽くした。

 国粋主義的強硬論を展開することで知られる環球時報はさらに強硬だった。
 同紙は「THAADに対抗して中国ができる5種類の行動」という見出しの社説で、THAAD配置と関連した韓国政府機関と企業、政治家を制裁するよう促した。
 同紙は
 「THAAD配置を積極的に推進した韓国政界要人の中国入国を制限し、彼らの家族の企業を制裁しなければならない。
 彼らと二度と経済関係、往来をせず、中国市場進出を認めてはならない」
と主張した。

 このように鋭い反応は韓国の決定に対する失望感あるいは裏切られた気持ちの表出とみられる。
 朴槿恵(パク・クネ)政権と習近平政権の間に過去最上の韓中友好関係が形成され、中国が死活をかけて反対する事案に対し韓国が一方的に米国側に立つことはしないだろうという期待が中国にあったのは事実だ。
 韓中関係の第一線で長らく従事してきたある当局者は
 「予想はしてきたことだったが中国の反発が思っていたよりはるかに激しい。
 この危機を賢く克服すべきだが、中国があまりに強硬ですぐには妙手が見つからない」
と話した。

 こうした気流を考慮すれば韓中関係は急冷局面を避けにくいものとみられる。
 金章洙(キム・ジャンス)駐中大使を2日連続で外交部に呼び抗議したことからも中国の強い反発が読み取れる。
 問題は中国の次の手だ。まだ予想するには早いが、政府間対話や交流行事が取り消され各種協力事業が中断される恐れがある。

 一部では中国が経済報復措置を取る可能性も取り上げられている。
 韓国が中国産ニンニクに対する関税を引き上げると中国が携帯電話輸入禁止など貿易報復で対抗した2000年のニンニク紛争が再演されかねないということだ。
 だが専門家や政府当局はそうした報復措置を取る可能性は小さいとみている。
 中国人民大学の時殷弘教授は
 「韓中両国は経済交流を通じ利益を得る関係のため経済報復の可能性は大きくない」
と話した。
 韓国政府も同様だ。駐中大使館関係者は
 「2000年のニンニク紛争当時とは違い、いまの中国は世界貿易機関(WTO)に加入し国際規範を守る国なので下手に報復措置を発動したりはしないとみる」
と話した。

 だが「最近のいくつかの事例を見ても過度な楽観は禁物」という見方もある。
 中国は2010年に反体制派の劉暁波氏にノーベル平和賞を授与したことを契機にノルウェーからサケの輸入を中断した。
 また、同年中国の船舶が尖閣諸島周辺海域で日本当局に拿捕され船員が拘束されるとレアアース類の対日輸出を中断したケースもある。

 このように具体的に現われる措置ではなくとも使えるカードは中国に十分ある。
 韓国を訪れる観光客数を減らすことは中国当局の行政指導措置だけで簡単にできる。1月の台湾総統選で「ひとつの中国」を認めない民進党の蔡英文候補が勝利してから台湾を訪れる中国人観光客が半分近くに減ったのと同じ現象が韓国でも起きかねないということだ。

 中国政府の報復措置断行の有無とは別個に反韓感情の拡散が韓国製商品の販売にも影響を及ぼしかねない。
 領土・歴史問題で日中関係が悪化した2012年に日本車不買運動が起き販売台数が大きく落ち込んだことがある。
 サムスンのある北京駐在員は「薄氷を歩く気持ちで注目している」と話した。

(中央SUNDAY第487号)


Record china 配信日時:2016年7月10日(日) 16時0分
http://www.recordchina.co.jp/a134648.html

経済制裁はあるのか?
韓国のTHAAD配備に中国激怒!―米華字メディア

 2016年7月9日、米華字メディア・多維網は記事
 「中韓が“政冷経熱”に?THAAD配備がもたらすもの」
を掲載した。

 米韓両国は8日、在韓米軍に高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」を配備すると発表した。 
 THAADは米軍が構築するMD(ミサイル防衛)システムの一環で、150キロという高高度での弾道ミサイル迎撃を可能とする。

 中国外交部はただちに抗議声明を発表するなど反発する姿勢を強めている。
 THAADには広範囲レーダーが付随するが、中国に近い韓国に配備されることで中国の広い地域が監視されるとの警戒感が強い。

 中国はこれまで韓国側に導入を見送るよう圧力をかけ続けてきただけに、韓国に対するなんらかの報復を行うことも考えられる。
 ただし評論家のトウ維(トウは「登」に「都」の右)氏は大規模な経済制裁の可能性は低いと指摘する。
 中国側の対抗手段は限定されているという。

 当然あるでしょう。
 ないわけがない。
 もしなかったら、事態を認めることになる。
 そんなことになったら中国をバカする周辺国が増える。
 睨みを効かせるという意味においても何らかの経済制裁に踏み切るであろう。
 メンツにかけてやるでしょう。


Record china 配信日時:2016年7月10日(日) 19時20分
http://www.recordchina.co.jp/a144431.html

韓国・朴大統領がTHAADミサイル配備に踏み切った3つの原因―米華字メディア

 2016年7月9日、米華字メディア・多維新聞は、THAADミサイル問題をめぐり、外交上の理由から決断を避けてきたが韓国が突如、配備を決定した背景には3つの原因があると指摘した。

 THAADミサイル問題をめぐり、韓国は08年から16年2月まで、外交上のあつれきを避ける「三無(米国からの要請ない、協議ない、決定ない)」の立場を貫いてきた。
 だが北朝鮮の核実験断行を受けて、米韓の関係部門が3月に正式に協議をスタートさせた。

 韓国は6月初旬のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)まで再び態度を保留していたが、このほど朴槿恵(パク・クネ)大統領が配備を決断する発表を行った。
 この突然の決定の背景には3つの原因がある。

★.1つは、北朝鮮が軍事力を誇示し、ミサイル発射実験を繰り返したが、一方の韓国は、弾道ミサイルの技術に10年立ち遅れている上、米国との間で弾道ミサイルの性能を制限する協定を結んでいるが、北朝鮮の攻撃対象になることは確実な状況にある。

★.2つ目は、中国に対し、北朝鮮への働き掛けや圧力を期待したが、それでも北朝鮮が核実験を強行したことで、中国は当てにならないことがわかった。

★.3つ目は、国内から配備を求める声が高まったことがある。
 韓国では17年に次期大統領を決める選挙が行われることになっており、北朝鮮問題への適切な対応が求められていた。
 特にTHAADに関しては、配備を求める声が1月の北朝鮮の核実験以降高まり、配備支持が7割を超えた。

 朴大統領による配備決定は、そうした国民の声に応えることで、大統領選挙の動向を決定づけるためでもある。


Record china 配信日時:2016年7月11日(月) 21時10分
http://www.recordchina.co.jp/a134085.html

韓国のTHAAD配備が示す中国外交の失敗、
なぜ中国には盟友がいないのか?―米華字メディア

 2016年7月10日、米華字メディア・多維新聞は記事
 「中国の急所を突いた高高度防衛ミサイル(THAAD)、
 なぜ中国には盟友がいないのか?」
を掲載した。

 米韓両国は8日、在韓米軍にTHAADの配備を発表した。
 THAADは米軍が構築するミサイル防衛(MD)システムの一環で、150キロという高高度での弾道ミサイル迎撃を可能とする。
 北朝鮮の弾道ミサイルへの対抗が狙いだが、地域のパワーバランスを壊すと中国が強く反発してきた。
 近年、中韓はきわめて密接な友好関係を築いてきたが、ここにきて伝統的な米韓同盟の強靱(きょうじん)さが改めて示された。
 経済力を武器に2国間の友好関係を強化する中国外交は失敗に終わった
とも言えよう。

 日本、韓国、フィリピンなど中国は米国の同盟国に包囲されている。
 一方、中国には信頼できる盟友がないのが現状だ。
 その要因の一つは中国が非同盟主義を貫いてきたことにある。
 しかし時代は変わった。
 もし中国が国際社会でプレゼンスを発揮したいのならば、
 戦略を変更し盟友獲得にかじを切るべきだ。



産経新聞 7月24日(日)11時5分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160724-00000502-san-kr

朴氏&習氏の中韓蜜月はどこへやら…
 THAAD配備で中国は韓国を恫喝・罵倒

 中国メディアが韓国に“空中戦”を展開中だ。
 北朝鮮のミサイル脅威に備えるため米韓が在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を決断したことに猛反発、
 中国メディアが「韓国に制裁を」などと攻撃を繰り返している。
 これに対し韓国側は、メディアも政界も反発より心配が先立つようで、“中国の報復”を懸念している。
 朴槿恵大統領が中国・北京の抗日戦勝70周年行事を観覧して10カ月。
 習近平氏との中韓蜜月はどこへやらだ。

■経済報復を示唆する中国

 中国は、在韓米軍にTHAADが配備されると主力装備のXバンドレーダーで中国大陸の軍事情報が米国に捕捉されるとして極度に警戒、その配備に猛反発してきた。

 米韓両国は、今年2月の北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、かねてから検討していたTHAAD配備の協議開始を決めた。これに中国はさっそく駐中韓国大使を呼び出して抗議、韓国でも駐韓中国大使が「中韓関係は一瞬のうちに破壊されかねない」などと韓国を脅した。その後も中国高官が折に触れては韓国政府にTHAAD問題で圧力をかけ続け、7月8日に米韓が配備を正式発表すると、王毅外相が「冷静に考えてもらいたい」などとさらに恫喝じみた発言を行い、中国国防省が反対声明を出した。

 決定後、中国はさらに攻撃的になった。環球時報などのメディアを使って「韓国の政界関係者の入国制限を」「企業に制裁を」「韓国から裏切られた」「THAADをミサイルで狙え」などとと刺激的な言葉で経済報復などを示唆して韓国攻撃を始めたのだ。

 だが、韓国メディアの反撃はどこか弱々しい。「韓国は中国のアジアインフラ銀行(AIIB)にも加盟している」「中国が韓国を報復すれば失うものの方が多い」など専門家の意見を取り上げ、沈静化を図ろうとしているが、真正面から中国による干渉を批判する論調はない。

 朴槿恵大統領は配備決定後、モンゴルで開かれたアジア欧州会議(ASEM)の夕食会で李克強首相と同席したが、2人は目も合わさず言葉も交わさなかった。同じタイミングで訪中していた韓国与野党の訪中団は、予定していた中国共産党中央対外連絡部主催の昼食会を突然、キャンセルされるなどの嫌がらせを受けている。

■蜜月は終わった…しかし歴史戦では中韓協力

 朴槿恵氏は就任以来、約3年半で習近平氏と6回の首脳会談を行った。
 朴氏は昨年9月、国際社会の批判的な声を知りながらも北京の抗日戦勝70周年に参加、軍事パレードを観覧した。
 蜜月にみえた中韓関係は張り子のトラだった。
 今年1月に北朝鮮が第4回目の核実験後、構築したはずの中韓首脳のホットラインに中国側は応じず無視した。
 朴氏は結局、日本の安倍首相と米国のオバマ大統領と電話会談した。

 当初、中韓関係接近に好意的だった韓国世論も、
最近は「朴槿恵外交は中国に裏切られた」と急激に冷めた。
 メディアの論調は
 「問われる対中外交」
 「重大局面の中韓関係」
に変わったが、
 「中国がTHAAD配備で、『韓国が一方的に米国の肩を持っている』と解釈したら、中韓関係はさらに悪化しかねない」(有力紙「朝鮮日報」7月9日付)
と中国批判より韓国の立場への懸念が前に出ている。

 THAAD問題に続き、中国の南シナ海領有権問題でも、韓国外交は腰が引けている。
 オランダ・ハーグの仲裁裁判所で出た中国に対する厳しい裁定について、韓国外務省は
 「すべての当事国は『DOC』(南シナ海紛争当事国の行動宣言)の完全かつ効果的な履行に取り組むべき」
などのコメントをしているが、そこに中国の名指しや批判はなかった。

 南シナ海は、韓国にとっても重要なシーレーンで中国の力による現状変更や軍事的緊張は韓国の国益にも直結している。
 だが、日米と歩調を合わせた積極的は中国批判には出ず、「戦略的なあいまい性」を維持している。
 中国経済への依存が高いことや、北朝鮮問題での中国の影響力を考慮せざるを得ない、歴史的、地政学的な背景のためだ。

 日本にはこうした韓国の曖昧性への不満が強い。
 日本政府高官は
 「立場は分かるが、韓国もすでにアジアで影響力のある強国になっている。
 言うべき時には主張すべきだ」
と苦々しい。

 しかし一方、中韓は歴史問題では連携している。
 最近は韓国の英雄である「義士」と呼ばれる安重根(日本の伊藤博文首相を殺害した暗殺者)の遺骨発掘強力で合意した。
 中国遼寧省での発掘を行う計画だ。
 歴史問題や反日は両国政府にとって、愛国主義の核心的な共通利益というわけだ。



聯合ニュース 7月25日(月)1時15分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160725-00000002-yonh-kr

中国外相「信頼損ねた」 
韓国に事実上のTHAAD配備中止要求

【ビエンチャン聯合ニュース】
 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と中国の王毅外相は24日夜、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議が開かれているラオスの首都ビエンチャンで会談した。

 王外相は
 「最近の韓国の行動は双方の信頼を損ねた。残念に思う」
と表明。
 そのうえで、韓国が両国関係を維持するため、
 「どのような実質的な行動を取るのか聴きたい」
と述べた。

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への配備を中止するよう、事実上求めたものとみられる。

 韓国と米国は今月、北朝鮮の核とミサイルに対応するためとして、THAADを韓国南部の星州に配備する計画を発表した。
 だが、中国はTHAADの高性能レーダーが自国の監視に利用される懸念があるとして、強く反発している。

 これに対し、尹長官は
 「両国関係が緊密になればなるほど、いろいろな挑戦があり得る」として、
 「われわれはこれまで友好を深めてきたため、こうした挑戦を克服できないと思わない」
と述べた。
 また、「朝鮮半島の平和と繁栄のため、相互の努力が必要だ」と指摘し、
 THAAD配備の原因となった北朝鮮の核とミサイル脅威を解決するため、中国の枠割が必要との考えを示した。


Record china 配信日時:2016年7月29日(金) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a136650.html

韓国・朴大統領の外交戦略は行きづまっている―中国紙

 2016年7月27日、中国青年報によると、韓国が米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を決めたことは「新たな冷戦」の重大なシンボルだとして、その配備について韓国国内でも議論が過熱している。

 韓国政府はなぜ国内での見解相違や中国やロシアの反対を押し切ってまでTHAAD配備を突然決めたのか。
 その理由として次の4点が挙げられる。

1.米国の圧力
 朴槿恵(パク・クネ)政権は、北朝鮮問題では常に米国と同調し、日韓関係では米国の圧力に屈したが、慰安婦問題やアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加、中国の閲兵式への出席などでは米国に背反。
 しかし、THAAD問題では米国の圧力に屈した。

2.国内の政治的利益からの必要性
 総選挙で与野党が逆転し、国内世論の圧力が高まっている。
 THAAD配備を決めることで、政治的支持を回復できると考えた。

3.韓国政府の判断ミス
 中韓関係、特に経済・貿易関係には影響しないと考えた。
 黄教安(ファン・ギョアン)首相も「中韓関係はすでに高度に結びついている」と国会で語っていた。

4.時期を見誤った
 南シナ海問題で難しい時期にTHAAD配備を決めれば、余裕のない中国からの圧力を抑止できると考えた。

 韓国のTHAAD配備は戦略上の自殺行為に等しく、今後の韓国の命運を決めるターニングポイントになった。
 韓国は地政学的には大陸勢力と海洋勢力の衝突地になることを避けるべきだ。
 中韓関係においては、経済的に中国への依存が高まる韓国にとって、関係悪化は大きなマイナスを生むことになる。

 米韓がTHAAD配備を発表したのを境に、中韓関係にはすでに微妙な変化が生じている。
 朴大統領が中国指導者に電話で説明したいと申し出たところ、中国側から拒絶された。
 中国の李克強(リー・カーチアン)首相は7月中旬にモンゴルで行われたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席した際、各国首脳と会談したが、朴大統領とは会談しなかった。

 韓国の安全戦略は米国の戦車の上に、経済戦略は中国の列車の上に成り立っており、その両者とも相いれない構造的な矛盾を抱えている。
 短期的には問題なくとも、長期的には必ず衝突する。
 朴大統領の外交戦略はすでに行きづまり、韓国は誤った方向へ進んでいる。
 悲劇的な歴史が繰り返される可能性もある。
 父親が作った韓国を、娘のパク・クネが壊し、「朝鮮地獄」に変えてしまった。
 韓国の歴史は、この親子の時代枠の中に収まってしまうのだろうか。




【自ら孤立化を選ぶ中国の思惑】


_


韓国は反日をエネルギーとする哀れな国 武田鉄矢
2016/07/25 に公開