2016年7月30日土曜日

中国共産党初のPRビデオ:「私は誰?どんな人?たぶん、あなたは考えたこともないだろう」

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●《我是谁》快看!我党居然第一次打广告了 建党95周年公益广告
2016/07/26 に公開





人民網日本語版配信日時:2016年7月30日(土) 17時30分
http://www.recordchina.co.jp/a146226.html

中国共産党初のPRビデオ公開!
ネットで話題に―中国

 「私は誰?どんな人?たぶん、あなたは考えたこともないだろう」
 最近、1分30秒の公益短編動画「私は誰?」が微信(WeChat)のモーメンツで話題となっている。
 中国共産党建党95周年である今年、中国中央テレビ(CCTV)が公開した中国共産党の特別PRビデオだ。
 華竜網が伝えた。

 95年間、風雨をものともせず前進し続け、今日の輝ける時代を切り開いた。
 95年間、初心忘れず、人民を富み栄える強国へと導いた。シンプルながらぬくもりが感じられるこの映像は、平凡な共産党党員を代表する医者、教師、清掃作業員や交通警察官など6人が描かれている。
 彼らは普通の職場で働き、その職責をきっちり果たし、黙々と貢献している。
 1人の平凡な党員の偉大さを表現し、
 「私は中国共産党の党員、ずっとあなたのそばにいる」
という理念を伝えている。

 ネットユーザーからは
 「党のファンになった!」、
 「この広告は満点だ。誇りに思っていいと思う」
と次々コメントが寄せられている。

(提供/人民網日本語版・編集YW)





中国特許申請件数世界3位:質的には先進国の1/3レベル

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Record china 配信日時:2016年7月30日(土) 18時10分
http://www.recordchina.co.jp/a146240.html

中国の特許申請件数が世界3位、
質と内容は先進国に及ばず―オーストリア紙

 2016年7月29日、オーストリア紙ディ・プレスは「中国の国際特許申請件数はドイツを抜いて世界に3位になったが、特許内容や品質は先進国に及ばない」と伝えた。
 参考消息網が報じた。

 中国の国際特許申請件数は現在、米国と日本に次ぐ世界3位に増加した。
 しかし、内容と品質は先進国に及ばない。
 ドイツのマンハイム欧州経済研究所は「特許協力条約」(PTC)に基づき申請された145カ国の特許を比較。案件によって特許の内容と質に大きな差があるとしたうえで
 「01〜09年に中国が申請した特許の品質は、先進国の水準の34%程度に過ぎない」
と指摘した。

 特に09年以降の品質の低下は明らかで、同研究所では
 「中国政府が特許申請への補助を開始した時期に重なる。
 申請ありきの特許増は品質の低下を招きかねない」
と警鐘を鳴らしている。






混濁する中国の権力闘争(1):苛立ちか自信か、習近平の共青団潰しの策

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Record china配信日時:2016年8月7日(日) 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/a146862.html

習近平の共青団潰し、
ついに改革プランを公表
=存在感失う「団派」―米メディア

●3日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトは記事「共青団中央の定員削減、存在感失った団派」を掲載した。
 胡錦濤をはじめ数々の国家指導者を輩出してきた共青団が変革の時期を迎えている。
 写真は共青団の徽章。

 2016年8月3日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトは記事
 「共青団中央の定員削減、存在感失った団派」
を掲載した。

 中国国営通信社・新華社によると、中国共産党中央委員会は2日、「共青団中央改革プラン」を公布した。
 共青団、すなわち中国共産主義青年団は14歳から28歳までが所属する、中国共産党の下部組織。
 幹部である共青団中央委員会への所属は出世コースで、胡耀邦、胡錦濤、李克強など国家指導者を輩出している。
 共青団出身者による派閥「団派」も強い影響力を持ってきた。

 令計画ら汚職官僚を生み出したこと、出身者は地方での現場経験を欠いていることに習近平総書記は不満を抱いており、かねてより共青団は「硬直化している」と批判していた。

 ついに改革に着手することとなったが、
 発表されたプランでは共青団中央委員会の定員削減と、
 現場により多くの人員を割くこと
が盛り込まれた。



レコードチャイアナ 如月 隼人配信日時:2016年7月31日(日) 11時30分
http://www.recordchina.co.jp/a145992.html

<コラム>中国政権に改めて異変の兆候
=全国規模の水害対策でも習近平主席の存在感、
李克強首相の影薄く

 中国では6月末から7月中旬にかけては湖北、湖南、江西など南部各省で、7月下旬には河北省など北部各省で水害被害が相次いでいる。
 中国では民政分野の問題が発生すれば首相が前面に出て指導する方式が定着していたが、今回の全国規模の水害では習近平主席の存在感が目立つ状態が続いている。

 中国の国家主席は英語では「president」と訳されていることでもわかるように、国家元首であり政権の最高指導者だ。
 さらに国家主席は共産党トップの総書記と中央軍事委員会主席とを兼任することになっており、軍事・武力部門と政権党においても最高指導者という、極めて強い権限を持っている。

 一方の首相は「行政組織の責任者」の位置づけで、国家主席と比べて地位はかなり低い。
 しかし江沢民政権下の1998年から03年まで在任した朱鎔基首相の時代に、経済や民政分野の具体的問題に対しては、首相が前面に立って指導し、国家主席は首相を「立てる」方式が定着した。

 次の胡錦濤政権でも同様で、経済や民政、さらに四川大地震(08年)や高速鉄道事故(11年)の際にも、現地に飛んで陣頭指揮をする温家宝首相の姿がクローズアップされた。

 習近平政権でも当初は同様で、特に経済問題については李首相の活躍が目立った。
 しかし16年春ごろからは、習近平主席の経済問題についての発言が目立つようになった。
 そのため、習主席と李首相の「対立説」が出た。
 個人的な思想の違いや確執が原因ではなく、習主席が抱える共産党内の経済担当部門と李首相の手足である国務院(中国中央政府)の経済官僚の意見が対立し、“親分”同士の関係が難しくなったとの見方だ。

 中国共産党中央も国務院も北京市中心の故宮博物院の西側にある「中南海」と呼ばれる敷地内にあるが、共産党中央の建物は中南海の南寄り、国務院は北寄りなので、両者が対立しているとして「南北院戦争」などの言い方も出たほどだ。

 経済政策について、李克強首相と国務院の官僚は内需拡大を重視し、そのための規制緩和を加速しようとしている。
 いわゆる「リコノミクス」だ。

 共産党の経済専門家は、李克強首相が通貨供給量を増やしたことなどを厳しく批判。
 5月9日には共産党機関紙の人民日報が、「リコノミクス」を事実上、厳しく批判する論説を掲載した。

 6月末からの全国的な洪水・土砂災害多発については、人民日報が7月24日付で、
 「1カ月に3度語った。習近平はこのように言った」
と題する記事を掲載。
 一連の被害に対して、習近平主席自らが、関係者を叱咤激励して対策を指導している状況を強調した。

 中国で洪水対策は通常「抗洪」と呼ばれる。
 インターネット検索大手のグーグル(中国語版)で日本時間24日午後7時、「李克強 抗洪」の2語でニュース検索してみたところ、ヒットした記事は9万6000本だった。
 一方、「習近平 抗洪」で検索するとヒットは16万1000本。
 洪水対策でも習近平主席の存在感が極めて強く、李克強首相は“影が薄い”という異常な状態が続いている。(7月31日寄稿)

■筆者プロフィール:如月 隼人
日本では数学とその他の科学分野を勉強したが、何を考えたか北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。



毎日新聞 2016年8月5日 金子秀敏 / 毎日新聞客員編集委員
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160803/biz/00m/010/009000c

習近平外交失敗が招いた中国孤立化と党内闘争

 中国の「大国外交」が行き詰まり、国際社会で孤立が深まっている。
 外交の混迷は、習近平国家主席の威信低下を招き、李克強首相を先頭に批判勢力の動きも活発になっている。
 来年の共産党大会を控えた政局は不透明感が強まる。

■チャイナマネーで躍進も"強軍大国"化で軋轢

 習近平政権は2012年の発足以来、ロシアとのエネルギー、安保協力を土台に欧州連合(EU)に接近するユーラシア横断外交に乗り出した。
 「一帯一路(いったいいちろ)(陸のシルクロード・海のシルクロード)」外交という壮大な構想とアジアインフラ投資銀行(AIIB)などチャイナマネーの力で世界を引きつけた。
 その一方で、太平洋方面では海空軍力を大幅に増強し、米国の軍事的なプレゼンス(存在感)を「ハワイの向こう側」まで後退させる「米中・新型大国関係」の受け入れをオバマ米大統領に迫った。
 これに対して米国は、ミサイル防衛(MD)網のアジア配備を柱とする「アジア・リバランス(再均衡)」政策で応じた。

 中国が、南シナ海のサンゴ礁を次々に埋め立てて滑走路やレーダーなど軍事施設を建設、米軍の排除に出ると、米国は軍艦を接近させる「航行の自由作戦」で対抗、軍事的緊張が高まった。
 中国の「強軍大国」化はベトナム、フィリピン、インドネシアなど近隣国との関係を悪化させる負の外交効果を生んだ。

 フィリピンが国際仲裁裁判所に提訴した南シナ海の海洋主権に関する仲裁判決が7月に出て、南シナ海のほぼ全域が中国の主権に属するという中国の「歴史的権利」主張は「無効」とされた。
 中国は
 「判決は紙くずだ。受け入れない」
と声明を発表したが、
 国際法上の判断が出た事実は動かず、
 南シナ海で航行の自由作戦をする米軍を中国軍が強制排除する正当性はなくなった。
 手痛い外交敗北だ。
 支持取り付けに周辺国への巨額援助を迫られている。

■蜜月だった英国はEU離脱、
 ロシアも韓国も中国離れ

 それだけではない。
 一時は米国をしのぐソフトパワーのシンボルと世界が期待した「一帯一路」外交も、揺らぎ始めている。
 昨年、習主席は経済成長が低成長期に入ったことを意味する「新常態」を宣言し、上海株が暴落、人民元が下がり、中国から資本流出が増えた。
 人民元経済圏構想と表裏一体の一帯一路構想は急速に色あせた。
 米国を抜くという「中国の夢」も消えつつある。

 昨年秋、習主席が鳴り物入りで英国を訪問し、高速鉄道、原発、ロンドン金融市場での人民元交換などを決めて活を入れたが、今年6月、英国がEU離脱を決めた。
 英国を拠点にして欧州へ進出するという「陸のシルクロード」外交戦略は揺らいだ。

 盟友のロシアも、中国が南回りの「海のシルクロード」で地中海から欧州進出を目指すことに警戒を強め、南シナ海問題では自由航行権を支持する側についた。
 「陸のシルクロード」の目玉プロジェクトとされる、モンゴルの水力発電所建設計画では「バイカル湖の水源が枯渇する」と強硬に反対した。

 高速鉄道の輸出も、高速鉄道車両を製造している中国国有企業がシンガポールに輸出した鉄道が部品の亀裂で返品されたほか、キャンセルや計画中断が相次ぎ、習主席の外交成果にはなっていない。

 AIIBの副総裁国にして一帯一路に取り込んだはずの韓国が、中国が恐れる米国の「終末高高度防衛(THAAD<サード>)ミサイル」の配備に同意したことも、習主席が主導した対韓傾斜外交の失敗で、中国は急きょ、北朝鮮との関係改善に転換した。
 王毅外相の責任がとりざたされているが、本質は習近平外交の失敗だ。

 党内では経済政策をめぐる習主席と李首相との対立が顕在化しているが、外交路線でも指導部内の溝が拡大してきた。



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2016年08月08日(Mon)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7452

習近平と解放軍の駆け引きで中国NSC機能せず

 米国防大学中国軍事問題研究センターのウスナウ研究員が、Foreign Policy 誌ウェブサイトに6月30日付で掲載された論説において、中国の中央国家安全委員会の活動実態が見えないことについて、解放軍や官僚組織の抵抗にあっているのではないかとの推測を示しています。
 要旨、次の通り。

■第一回会議後、音沙汰なし

 中国の中央国家安全委員会(NSC)は習近平によって2013年末に設立された。
 しかし、その全構成員は公表されたことはないし、14年4月以来、公表された会議の開催もない。
 国内外の危機対応におけるその役割は明確ではない。
 当初、このNSCの支持者たちは、強力で十分な人員を持つNSCを持つことによって、危機に対してより効率的な対応をすることができ、政策決定者への情報提供を増やし、軍や外交部、情報機関などの諸組織の活動を統合できると主張した。
 既存の体系では、課題ごとに場当たり的に対応し、官僚組織を統合する中心的な機構も欠如していた。
 NSCはこの体系を打破することが期待された。

 多くの観察者は、習近平が就任後の早い時期にNSCを設立したことは、その権力確立の能力を示すものだと考えた。
 14年1月、政治局は
 NSCが「全体的な計画を制定し、国家安全保障に関する主要問題と主要業務の調整を行う」
と発表し、習近平を主席とした。
 14年4月には、NSCの第一回会議が開かれ、「総合的国家安全保障観」を定めた。
 しかし、奇妙なことに、それ以来何もないのである。

 NSCが関わるべき問題がなかったわけではない。
 15年3月のイエメンからの中国人の脱出、15年4月の天津での爆発事件、南シナ海での係争など、いずれの問題でもNSCの反応は確認されていない。

★.一つの可能性は、中国共産党がNSCの活動を極秘にしているということである。
 NSCは何か役割を持っているが、公表されていないだけかもしれない。
 しかし、秘密主義の強い中央軍事委員会ですら会議の開催や決定を公表していることを考えれば、そうとは思えない。
 また、NSC設立が習近平の権力確立のためだとすれば、習近平の指導の下での前進と成功を示すNSCの活動を公表しない理由はないはずである。

★.NSCはまだ発展途上にあるとも考えられる。
 内部の決定過程や権力構造、人事などはまだ決定されていないという可能性である。
 しかし、これもNSCに関する情報を公表しない理由にならない。

★.最もそれらしい説明は、
 エリートや官僚組織がNSCの発展に対して抵抗、妨害をしているという可能性である。
 この説明は、最近の習近平の統治に対して党内で反対が生じている状況にも符合している。
 官僚組織に関しても、誰がNSCに参加すべきで、NSCがどの組織と調整を行うべきかについても議論があったはずである。
 しかし、重要な当事者である軍には文民部門と協力するインセンティブはない。
 また、NSCは中央軍事委員会と国務院とも業務の重複がある。
 中央軍事委員会と国務院を支持する者たちは、主導権を残すことに成功しているようである。

 NSCに関する沈黙は習近平にとって良い兆候ではない。
 それは、習近平がNSCを実質的な機能を持つ組織にすることに失敗したことを示す
 もし上に挙げたエリートや官僚組織の抵抗という説明が正しければ、習近平の指導権確立に対しては疑問が呈されざるをえない。
 今この瞬間、NSCは習近平の弱さの表れとなっている。

出典:Joel Wuthnow,‘China’s Much-Heralded NSC Has Disappeared’(Foreign Policy, June 30, 2016)
http://foreignpolicy.com/2016/06/30/chinas-much-heralded-national-security-council-has-disappeared-nsc-xi-jinping/

 この論評は正鵠を射ており、違和感はほとんどありません。
 取り上げられている問題は、習近平と人民解放軍との関係を判断する上で、重要な論点でしょう。

■人民解放軍との駆け引き

 しかし、もう一つの可能性を考えておく必要があります。
 それは習近平が人民解放軍との関係調整に手間取っていることと関係します。
 2015年11月末、共産党中央軍事委員会・改革工作会議で軍事改革案を決定しました。
 極めて大胆で野心的な改革案であり、近代戦を戦い勝利する軍隊をつくると言いながら、その実、将軍たちから習に実権を移すものです。
 しかし、これで勝負ありということではありません。
 実施段階の方がさらに困難を伴うものです。
★.人民解放軍と習との駆け引きと力比べはまだ続いている
とみておくべきです。

 ここがすっきりしていないので、NSCを動かせないでいるのではないでしょうか。
 それに、この軍改革により、中央軍事委員会を強化した上で、習がその中央軍事委員会を通じて直接、軍を統括できるようになれば、習にとってのNSCの重要性もその分、落ちることになります。

 さらに来年の党大会が重くのしかかってきます。
 しかも現時点をとれば
 党中央が分裂気味であることが外から感知できる
ほどです。
 そういう時ほど人民解放軍の支持が重要になります。
 習は軍に軸足を置いて政権運営をしているように見受けられます。
 南シナ海政策も軍が牛耳っているようです。
 この状態は来年の党大会まで続くでしょう。
 そこでどの程度、習の政権基盤を固めることができるか、それによってNSCのまとまり具合も自ずから決まるでしょう。



毎日新聞 8月15日(月)7時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160815-00000016-mai-cn

尖閣強硬・党内締め付け 
習指導部「1強」固め

 【上海・林哲平】
 中国共産党幹部が重要課題を非公式に話し合う北戴河会議に合わせ、習近平指導部が「1強」体制固めを急いでいる。
 連日、沖縄県・尖閣諸島周辺に公船を出没させて領有権を強く主張。
 「貴族化」した党幹部らの責任を厳しく問う方針も打ち出している。
 来秋の党大会の次期指導部ポスト争いが激化しているとの見方が強まっている。

 ◇北戴河会議

 中国が「核心的利益」と位置付ける南シナ海での権益主張について、仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は先月12日に「歴史的権利には法的根拠はない」と退ける判決を出した。
 「中国外交の敗北」(党関係者)との批判が広がりかねない判決を受け、習指導部は矢継ぎ早に大胆な政策を打ち出した。

 仲裁裁判はフィリピンが申し立てたものだが、中国は判決に従うよう表明した日本に反発。関連は不明だが、今月5日以降、中国海警局の公船や漁船数百隻が尖閣諸島の接続水域を航行し、領海侵入を繰り返している。

 日本政府が尖閣を国有化した直後の2012年9月に中国公船12隻が同時に航行したが、今回はこれを上回る異例の事態だ。
 9月上旬には中国・杭州で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催されるため、中国船は日米との摩擦を避けて短期間で撤収するとの観測もあったが、現在まで実現していない。

 ◇共青団を「改革」

 習指導部の強硬姿勢は日本だけでなく、党内にも向かっている。
 党中央弁公庁は今月2日、「中国共産主義青年団(共青団)中央改革計画」を発表。
 新華社通信は「習総書記が重要な指示を何度も出した」と伝えた。

 共青団は14~28歳を対象にした青年組織で団員数は約8600万人。
 出身者は「団派」と呼ばれ、李克強首相のほか胡錦濤・前国家主席や李源潮国家副主席らが有名だ。
 最高指導部の政治局常務委員(7人)には李首相だけだが、その候補となる政治局委員(18人)では多数の団派が昇格を目指す。

 共青団に対して習氏は最近の党会議で「大衆から遊離した存在」と批判。
 先月には胡氏の元側近で団派の中心的人物、令計画・前党中央統一戦線工作部長が収賄などの罪で無期懲役判決を言い渡され、団派の地方幹部の失脚も続く。

 保守的な習氏と改革志向のある団派との路線の違いが指摘される中、北戴河会議と重なる時期の改革計画発表に、
 共青団側には「来るものが来た。いよいよ手を突っ込まれるのか」(上海共青団OB)
との警戒が広がる。

 ◇上海閥に厳しく

 さらに強い危機感を持って会議に臨んでいるとみられるのが江沢民・元国家主席を中心とする「上海閥」だ。
 市トップの党委書記を務めた上海や出身地の江蘇省の人脈だが、習指導部の徹底した反腐敗運動の標的となり影響力は大きく低下。
 さらに習指導部は6月末に「共産党問責条例」を制定、腐敗に関与していなくても「職務怠慢」などを理由に責任を問う方針だ。
 常務委員には党序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長らが一定の存在感をみせているものの、「68歳定年」の慣例が踏襲されれば習、李両氏を除く5人の常務委員全員が来秋の党大会で退任することになる。
 次の指導部入りの可能性がある人材にも乏しい。

 一方、習氏は2期目の政権運営を盤石にするため、人事面での布石を重ねている。
 22年間に及ぶ浙江、福建両省での在任時代に交流を持った省幹部や軍人が中心で、浙江省党委書記時代に地元紙に連載したコラムの題名から「之江(しこう)派」とも呼ばれる。

 6月には江蘇省の羅志軍・党委書記が定年を前に職を解かれ、後任に李強・浙江省長が就く人事が明らかになった。
 李氏は習氏の同省党委書記時代に秘書役を務めた「之江派」の一人。
 江蘇省は江氏の出身地で、団派の大物、李源潮国家副主席の地盤でもあることから地元では両氏に対する切り崩しではないかとの声もある。

 【ことば】北戴河会議
 北京に近い避暑地・北戴河(河北省)で夏に開かれる中国共産党指導部の非公式会議の総称。
 党・政府機関の事務所が移転し、指導者と外国要人との会談なども行われる。
 「北戴河」は清代末から外国人主導で開発されたリゾート地。新中国建国後、水泳好きの毛沢東主席が休暇で訪れるようになり、重要議題を話し合うようになった。
 2003年の新型肺炎(SARS)流行の影響で停止されたが、12年ごろに再開された。



ダイヤモンドオンライン 2016年8月30日 加藤嘉一
http://diamond.jp/articles/-/100260

習近平が若者の政治エリート登用にメスを入れる狙い

■中国共産党成立の1年前に組織された共産主義青年団(共青団)

 エリート大学生のあいだで
 「今後共青団を通じて政治エリートになることは難しくなる」
といった類の認識が広まってしまうようなことになれば、
 国際社会で普遍的に認識されるエリートという集団が中国で育成され、政治の舞台で活躍する道が閉ざされてしまう。

  2005年4月9日、北京でいわゆる“反日デモ”が起きた。
  一部暴徒化したデモ隊が北京の日本大使館に向かって卵などを投げつけている光景を覚えている読者もおられるであろう。
  小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝反対、日本の国連常任理事国入り反対、“歴史の改ざん”反対などが、デモ組織者や参加者が横断幕として掲げる内容であった。
 少なくとも表向きはそうであった。
 デモ発生前、中国に進出している日本企業が、中国政府が“問題”としてきた歴史教科書を支援しているとして、日本企業やその製品に対する風向きが強まっていった情景を覚えている。
 デモ現場には、“日貨排斥”、“愛国無罪”といった掛け声が集団的に放たれていた。

  デモ発生直前の4月7日深夜、当時私が学んでいた北京大学のクラスメートと“反日デモ”が起こるプロセスに関して話をした。
 この学生は、
 9日の朝8時半には北京大学南門から徒歩10分ほどの場所に位置する中関村海龍大廈の前にデモ組織者が集まること、
 当日は公安が現場に入り、監視監督を行うこと、
 組織者には北京大学の学生が含まれていること、
 そして各学部の関連機関に対してデモには参加してはならない旨、
 当日、不当な言動を行う、あるいは行いうる学生に対する監視を強化する旨
を伝達したことなどを私に語った。

  この学生は共青団北京大学委員会に所属する学生のなかの幹部であった。
 共青団とは共産主義青年団の略称である。
 同組織は1920年8月、即ち中国共産党が成立される(1921年7月)約1年前に結成された。
 その名の通り、青年(筆者注:日本語で俗にいう“若者”に近い)を対象とする組織で、一般の団員の場合、14歳で入団資格が得られ、上限は28歳と規定されている。
 団員の数であるが、2015年末の時点で8746.1万人(共青団中央組織部統計)となっており、同時点において8875.8万人に上る共産党員(共産党中央組織部統計)とほぼ同等の数を抱えている。

  大学時代から周りに共青団で働いていた同窓生が複数いたこともあり、私にとってこの組織は比較的身近に感じられる存在であった。
 彼ら・彼女らは、日々の学業以外に、共青団での仕事に奔走していた。

■学生たちを洗脳するイデオロギー工作も
 党と大学の架け渡し作業を行う共青団

  最も印象的だったのは、党と大学の架け渡しとしての作業である。
 共産党中央が発布するドキュメントを受けて、学生向けのそれを作成したり、学生を管理(実際は監視)するためのイベントや会議を組織したり、若干えげつない表現をすれば、学生たちを洗脳するためのイデオロギー工作をしたりといった作業も見られた。
 北京大学の国際交流を企画・実践するような仕事も共青団にとってのミッションであった。

 大学生は「青年」に属するカテゴリーのなかでも核心的に重要であり、中国共産党政治という観点からすれば、敏感で厄介な存在でもある。
 特に、1919年の五四運動、1989年の天安門事件などで主力的な役割を担った北京大学の青年たちであれば、当局があらゆる角度から“警戒”するのは当然の帰結であろう。
 同大学の学生というのは、国家の発展という観点からは人材育成地と言えるが、“党の発展”という観点からは“政治警戒地“とも解釈できる
 (筆者注:北京大学の隣に位置する
 清華大学はどちらかと言えば党・政府をはじめとするお上への“忠誠”が強く
 私が実際に交流しながら、両大学生の思想や価値観を比較してきた過程からしても、
 清華大学の学生は政治的に保守的で、共産党政治・イデオロギーの擁護に走る傾向が比較的明白に見て取れる)。

 青年を管理・監督すること以外に、共青団には「政治エリート集団」としての機能が備わってきた経緯が見いだせる。

 国家指導者経験者のなかでは、胡耀邦元総書記や胡錦濤元総書記・国家主席、現役世代では、李克強国務院総理(政治局常務委員)、李源潮国家副主席、汪洋国務院副総理、胡春華広東省書記(共に政治局委員)らが挙げられる。
 日本の最高裁判所長官にあたる最高人民法院院長を務める周強(中央委員)、そして、2014年に“落馬”し、2016年になると収賄罪や国家機密漏洩罪で無期懲役となり、生涯における政治権利を剥奪された令計画元中央弁公庁主任(筆者注:胡錦濤国家主席の右腕とも言われた)も共青団出身の政治エリートと言える。

■「政治エリート集団」に“メス”
 共産党が「共青団中央改革方案」を発表

 中国政治や国家運営を実質的に支えてきた共青団であるが、今月に入って、共産党中央から一種の“メス“が入ったことが公にされた。
 共産党中央弁公庁が《共青団中央改革方案》というものを印刷・発表したのである。

 昨年初旬、党中央が共青団改革を促す指示を出して以来、共青団中央はそのためのワーキンググループを立ち上げ、約4ヵ月に渡る調査研究・審議検討を経て改革案を起草した。
 最終的に党中央による採択を経て作成された改革方案は、共青団の存在意義・価値、共青団の人員構成・幹部選抜方式、そして共青団と党中央との関係など、4つの側面、12の分野から謳われている。

 以下、中国共産党政治の今後を占ううえで、私が重要だと解読した二つのインプリケーションを整理・検証してみたい。

★:一つは、今回の共青団改革には現共産党総書記である習近平本人の政治信条・スタイルが如実に反映されているという点である。
 これを考える上で、同改革方案が出された直後の8月9日、秦宜智・共青団第一書記(筆者注:胡錦濤、李克強、胡春華なども歴任してきた共青団の最高ポスト)が内モンゴル自治区フフホト市で開かれた共青団幹部・青年代表会議のなかで指摘した次の文言を見てみたい。

 「なぜ改革をしなければいけないのか?
 核心は問題の方向性を堅持することである。
 “機関化、行政化、貴族化、娯楽化”という現象を切実に克服しなければならない」
 これらは“四化”と言われ、共青団改革の前提となっていると思われる。

■貴族化が現政権の「群衆路線」に背反
 習近平政治と真っ向から対立する産物

 機関化・行政化は日本で言うところの“お役所的”な仕事のスタイルであったり、共青団という青年世代から成る、青年世代のための組織であるにもかかわらず、変に大人びた官僚主義的な職場の雰囲気であったりといった部分を指すのだろう。
 娯楽化は、周りからちやほやされたり、与えられた権限を弄んだり、自作自演のパフォーマンスが蔓延ったりといった風習への批判を指しているのだろう。

 そして、今回の改革案のメインディッシュのような存在として注目したいのが貴族化である。
 ここには、これまでも党中央に人材を送り込んできた共青団が「政治エリート育成・輩出機関」となり、その過程や表象が、現政権による政治の特徴である「群衆路線」に背反していると習近平本人が考えているのだろう。

群衆とは一般大衆、特に共産党が結党以來支持基盤とし、自らのイデオロギーとも関係する無産階級、或いはプロレタリアート(労働者階級)を指す
 (筆者注:私自身は、共産党が定義する“群衆”の範囲は拡大傾向にあり、いまとなっては中産階級の一部にも及んでいると考えている)。

 今回の改革案でも随所に出てくるのが「基層」という言葉である。
 これは言ってみれば「社会の底辺」を意味し、例えば、共産党中央の幹部が比較的貧しい内陸部の農村を自ら訪れ、現地の農民の意見に耳を傾け、そこにおける問題点や矛盾点を解決するような政策を自ら打ち出していくような行動を「走基層」(筆者注:あえて和訳すると、「社会の底辺に歩み寄る」といった具合に解釈できる)と言う。
 この「走基層」と群衆路線はまさに表裏一体の関係にある。

 青年時代に文化大革命を経験し、政治を志すようになってからも頻繁に「走基層」し、それは共産党にとっての優良な伝統であり、それを徹底するからこそ、政治が人民の支持を得られると信じて疑わない習近平は、この信条と論理をよりダイナミックに正当化するために共青団を選んだというのが私の分析である。
 エリート集団や貴族化といった現象は、習近平の群衆政治と真っ向から対立する産物であるからだ。

 実際に、改革案は、共青団中央の機構編成をこれまでよりも“スリム化”し、基層を拡大する旨を謳っている。
  具体的に見てみると、例えば、2018年に開催予定の共青団十八回大会までに、団の全国代表大会、中央委員会、中央常務委員会における「基層」、および「一線代表」と呼ばれる、発展が比較的遅れた農村部などで労働者や農民として働いてきた幹部の割合をそれぞれ70%、50%、25%以上に引き上げると規定した。

 エリート集団化・貴族化する傾向が顕著な共青団に群衆路線を徹底させると同時に、共産党の共青団に対する領導をよりいっそう強化することを改革方案は掲げている。
 方案は次のように両者のあるべき関係を謳っている。

 「共青団は党の助手であり、予備軍である。
 党と政府が青年とつながるための架け橋である」

■今回の共青団改革の狙い
習近平による権力基盤強化の一つ

 私は、この文言を読みながら、共青団改革は習近平政治にとっての氷山の一角でしかなく、数ある“改革“のうちの一つのケースに過ぎないと感じ取った。
 「党の領導強化」、
 「党への絶対忠誠」
は習近平が総書記に就任して以來、共産党があらゆる分野で掲げる“改革“のエッセンスである。
 全面的に改革を深化させるための領導小組の設立、国有企業改革、宣伝・報道機関における改革、大学・教育機関における改革などを含め、あらゆる“改革“の名において「党」の絶対性が強調されている。

 本連載でも繰り返し触れてきたように、習近平が共産党の領導を強化することを通じて自らの権力基盤を固めようとする政治信条・スタイルが露呈されている。
 その意味で、今回の共青団改革は、習近平が自らの権力基盤を一層強化するための一つの手段という見方が妥当であろう。

 今回の“改革”が、共青団出身の李克強に対する圧力、次期総書記候補の一人である胡春華に対する牽制といった見方もあるようである。

 私の分析によれば、結果的にそのような事態が起こることはあり得るが、今回の目的はあくまでも群衆路線に代表される習近平政治をあらゆる組織や機関で徹底するための一プロセスであるという色彩が濃厚のようだ。
 共青団が政治エリート集団という色彩を強く帯びてきたことを考えればなおさらである。

 実際に、上記の“四化”は、今年の2月、党・政府機関・国有企業などにおける汚職・腐敗への取り締まりを職責とする中央規律検査委員会が共青団を対象に行なった“専項巡視”の際に(筆者注:同委員会は第十九回党大会が開催される予定の2017年秋までにすべての党・政府・国有機関に対してこの調査を行う予定)、同委員会が共青団の突出した問題として指摘されている。
 共青団改革は、習近平が就任以来現政権の目玉政策として、王岐山を右腕に実施してきた“反腐敗闘争”の一環でもあるということである。
 ここにも、共青団改革と習近平政治の相関性が見いだせる。

■共青団出身の若手幹部はプレッシャー?
共産党政治への影響力も弱体化

 第十九党大会を1年3ヵ月後に控え、党の現役指導者が長老などと意見交換をしたり、重大な政治決定(人事を含む)をしたりする際に活用してきた北戴河会議の直前というタイミングでの共青団改革方案公表だけに、様々な憶測が巻き起こるのも無理はない。

 今回の改革案を経て、共青団出身者、特にこれから党中央幹部を狙うような若手幹部は不安やプレッシャーを感じていることであろう。
 習近平が率いる共産党政治において、“政治エリート“とみなされるよりは、「走基層」する草の根幹部と認識されるほうが政治的に“安全“であり、かつ評価される可能性が高くなったことは間違いない。
 共青団から党中央という人材の流れが、これまでのようにスムーズ、もっと言えばオートマティックにいかなくなり、結果的に、共青団の共産党政治における影響力が弱体化、形骸化する可能性は全くもって否定できない。

★.ここから二つ目のインプリケーション
に入りたい。
 中国の持続可能な発展という観点からすれば、一つ目以上に懸念されるべきなのが、外交と人材という二つの分野から見た場合の今後の共青団の在り方についてである。
 私自身、共産党関係者と交流する過程で感じていることであり、特に近年“紅二代”と呼ばれる、新中国の建国に直接的な貢献をした革命世代の二代と話をするなかで感じることであるが、共産党として、特に国際視野や専門知識、外国語能力などが不可欠な素養・能力である外交の分野において、共青団出身者が果たすべき役割がこれまで以上に高まっている。

 以前、政治局委員を経験した親族の“紅二代”が次のように言っていた。

  「我が党は共青団出身エリートをしっかり外交に活用しなければならない。
 我々のような出身者だけではダメだ。
 李克強、李源潮、汪洋。みな外交能力に長けた政治家だ。
 彼らには首脳会議や国際会議などの舞台で中国の政策や国益を国際社会が理解できる言葉で主張できる能力が備わっている。
 外交の多くは彼らに委ねるべきだ。」

■日本の対中外交を考える上でも軽視できない共青団改革方案

 私もその通りだと考えている。
 しかしながら、仮に今回の改革案を経て、共青団出身エリートが党中央の中枢で然るべき地位や役割を与えられなくなるような政治状況が起こるとすれば、それは中国外交にとってだけでなく、そんな中国と付き合っていかなければならない海外諸国、特に、共青団を対中外交の重要窓口としてきた日本にとっても不安要素になるに違いない。

 今回の共青団改革方案は、日本の対中外交を長期的に考える上でも軽視できないリスク要因であるということである。

 本稿の最後に言及したいのが、今回の改革方案が人材という分野に与えるインパクトである。

■若者が政治エリートに成り上がるため重要なチャネルだった共青団

 私が大学時代に共に学んだ同窓生にも複数いるが、共青団は特別なバックグラウンドをもたない若者たちにとって、自らの実力で政治エリートへと成り上がるための重要なチャネルであり、プラットフォームであり続けた。
 それぞれ清華大学、北京大学の出身である胡錦濤、李克強もそうやって国家指導者まで上り詰めた。

 特に李克強はその典型である。
 1978年から1982年まで北京大学法学部で学び、その間に学生会の責任者を、卒業後は大学に残り、北京大学共青団書記を務めた。
 そこから共青団中央書記処書記、そして共青団における最高ポストである第一書記(1993~1998年)まで一気に駆け上がった。
 その後は河南省、遼寧省で共産党委員会書記を務め、2007年に政治局常務委員入りを果たし、現在に至っている。
  「李克強が歩んだ道のりは、模範とも言えるパーフェクトで道のりであり、私たちにとっての希望でもある」
 “将来の李克強”を目指す私のひとつ上の先輩はこう語る。

 政治エリートを目指す若者にとっての“希望”である共青団が、今回の改革案、特に“貴族化”を克服するという文脈において、エリート人材育成地としての役割にヒビが入ってしまうようなことになれば、あるいは、エリート大学生のあいだで「今後共青団を通じて政治エリートになることは難しくなる」といった類の認識が広まってしまうようなことになれば、
 国際社会で普遍的に認識されるエリートという集団が中国で育成され、政治の舞台で活躍する道が閉ざされてしまう。

 逆に、革命世代に祖父や父親を持ち、“群衆路線”をスローガンに権力を強化し、政治を展開しようとする“特権階級”が中国共産党政治を牛耳るような事態が既成事実化するとすれば、中国と国際社会の間における正常な交流、健全な対話に支障をきたすことになるのではないか。

 そんなことを考えつつ、大学時代の同窓生たちを思い出す今日この頃である。



JB Press 2016.8.17(水)  金刻羽
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47597

毛沢東と習近平を一緒にするのは間違いだ
権力の集中は官僚システム修正のため

 世界の多くは、中国の指導者・習近平を、懸念を抱いて眺めている。
 習近平が中央集権化を再び始めているというためだけではない。
 彼が行う急進的な反汚職キャンペーンが、政治的粛清のカモフラージュだと見る者は多い。

 このように見る論者は、
 「習近平は個人崇拝のカルトを築いているのだ。
 それは、毛沢東の周りで文化大革命を引き起こした者たちのカルトと同じようなものだ」
と憂慮する。

しかし実際のところ、習近平は全くそんな邪悪なものではない。
 確かに、習近平がある程度権力を蓄えているというのは事実だ。
 しかし彼の動機は、中国を(中国政府も、中国経済も)強くするための必要性に駆られてのものだ。
 その目的を達成するために彼は、少しばかり制御不能になった官僚システムを元に戻さねばならない。

*  *  *

この30年の間、中国の権力機構は大幅に分権的になった。
 地方公共団体は、実質的な自治権を徐々に多く与えられるようになり、外国投資を誘致し、GDP成長を誘発させるといった改革を実験してきた。
 さらに地方公共団体は、土地・財政・エネルギー・原料物質といった資源に対し、また地方インフラに対し、直接的なコントロール権を与えられた。
 結果として、2000年から2014年にわたって、地方政府の支出が公費全体の71%を占めることになった。
 これは世界最大の連邦国家と比べてもかなり大きい。
 例えば、アメリカの地方の支出が公費に占める割合は46%だ。

 地方分権は、地方の間での競争を促進して全体的な経済成長を誘発しようという目的で行われていた。
 地方政党の権力者たちは、地方政府の経済実績によって彼らの出世街道が決まるということを知っていた。
 そして、彼らが経済成長を促進するために熱心に動いたことによって、中国が世界第2位の経済に(測定の仕方にとっては世界最大の経済に)のし上がっていくことが可能になった。
 そして同時に、ポスト毛沢東時代の与党である中国共産党の正当性も確かになった。

 しかし、地方分権にもマイナス面はある。
 地方分権によって相当の無駄が出た。
 例えば地方政府には多額の負債ができた。
 さらに、大がかりな政治腐敗を引き起こした。
 地方官吏は事業者に、税金猶予や金利の安いクレジット、市場価格より安い土地といったものを与える「特別な取引」をしていた。

 規制が厳しく金融市場が未発達な国では、民間の企業家は事業を始めるにあたって高い参入障壁に直面する。
 民間企業が違法取引によってしか求める資源や市場に行き着くことができないのならば、彼らは喜んで違法取引に関わることだろう。
 彼らは現金その他の報酬を、ルールを曲げて私腹を肥やす官吏たちに払うことになるだろう。

 1990年代には、こうしたお膳立ての上で、何十万もの成長促進企業が市場に参入することができた。
 経済成長が第一優先の時代においては、経済成長を促す汚職は黙認され、多くの者が軽々しく目をつぶってきた。

 しかし汚職は制御不能になり、今や中国の安定性も、共産党の正当性も脅かしている。
 ガバナンスのゆるい30年を経て、地方当局の中には、彼らの違法な権益や経済的利益を守るために手を結ぼうと派閥を組む者も現れた。
 彼らの行った公費着服や横領は天文学的な金額に上るが、それは、彼らが政界の階段を上るために助け合って 既得権益を守る共犯者なくては不可能であっただろう。

 こういった密かな政治ネットワークは実質的に頑強なものとなり、たくさんの官吏たちが中央政府に対抗するようになっていた。
 彼らはポストや特権を守ることで、彼らの経済的な利益を守ろうとした。
 中央政府は、地方の統治者たちを制御しない限り、改革計画に別れを告げることはできなかっただろう。

 そういった経緯の中、習近平は、汚職に対して目をつぶることをやめた。
 彼は地方政府の権力を中央当局の手中に収めた。
 そして彼は、広範囲に及ぶ反汚職キャンペーンを始めたのだ。

*  *  *

 この2年の間、中国全土の地方官吏は、下級の省課長たちから上層部にいる地方のドンに至るまで、次々に投獄されてきた。
 ときには地域特有の考慮もされた。まずは周辺的な地方政府の官吏を逮捕して、その次に中心的な地方政府の官吏を逮捕するといったものだ。

 政敵と見られるたくさんの数の上級官吏(及び軍人たち)を一斉検挙するというのは、粛清のようにも見えるかもしれない。
 しかし、実のところは、訴追して投獄された者たちはすべて、確かな証拠に裏付けられて有罪となっている。
 中国の司法制度自体はまだ不完全であるとはいえ、今日の中国ではもはや、毛沢東時代のように、政治的理由のみで官吏たちを投獄することはできない。

習近平の中国の官僚制度を制御しようとする試みは、弱まることなく続く。
 短期的には経済活動にも影響をきたすかもしれない。
 地方政府が注目を避けるために意思決定を遅らせるからだ。

 しかし、いったん制度が浄化されてしまえば、中国は、持続可能で安定的な経済成長を達成するためにより強い位置につけることができるだろう。

 文化大革命2.0を恐れる者たちは、中国はもう50年前の中国とは違うということを理解しなければならない。
 独裁政治の土壌と個人崇拝のカルトは、開放と経済成長の高まった30年で破壊されてきた。
 習近平以上にこの事実を理解している者はいない。







【自ら孤立化を選ぶ中国の思惑】



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中国経済(6):中国の海外企業買収、「元」が暴落する前に買っておけ!

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 「元」の暴落が近づいているようだ。
 中国国内で吸引力を失った資金は国外に向かう。
 国内に吸引力がない、ということは中国の構造改革は進まず、経済は零落の歩みを止めないということになる。
 それにより最悪だと20%ぐらい落ちるという。
 中国政府は元安を止めるために必死になるだろうが、その作業は逆に資金の流失を招く公算が大きいともいう。
 国内吸引力がない=>国内経済が零落=>資本の流出=>海外資本の買収=>元暴落
という構図になるかもしれない。
 中国企業としては安全を図って手持ち資金を
いまのうちに海外に持ちだしておきたい、ということだろう。


Record china 配信日時:2016年7月29日(金) 21時50分
http://www.recordchina.co.jp/a132238.html

中国企業の海外M&Aブームなお続く、
2016年はすでに総額15兆円、
次のターゲットは保険会社―米紙

 2016年7月28日、中国新聞網によると、企業合併・買収(M&A)で海外に進出する中国企業が後を絶たず、2016年に入ってからの中国企業によるM&A総額は1400億ドルを超えている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、
 「企業買収ブームの中国が次に狙うのは保険会社だ
とする記事を掲載。
 最も近い例として、シンガポールの再保険会社・ACRの10億ドル(約1040億円)規模のM&Aを挙げ、買収に乗り出した上位企業はいずれも中国系資本だと伝えた。

★.2016年に入って、中国企業の海外企業買収ブームが起き、ホテルや映画製作会社の買収が相次いでいる。
 米Dealogic社の調べでは、2016年1月から現在までに明らかになった中国の合併・買収総額は1462億6000万ドル(約15兆2000億円)で、2015年通年の総額1061億8000万ドル(約11兆400億円)を大きく超えている。

 保険会社を対象にした中国企業のM&Aが増えており、とりわけ韓国で買収が激しくなっている。
 欧米の保険会社が次々に韓国市場から撤退する一方で、
 中国の太平保険集団や復星国際が韓国業界5位のING生命の買収に動いている
 また、4月には安邦保険が独アリアンツの韓国保険事業を約300万ドル(約3億1200万円)で買収することも決まっている。

 保険会社の買収が加速している要因の1つは、買収によってさらなる投資が可能となることがある。
 復星国際は著名投資家ウォーレン・バフェット氏の「保険と投資」という事業戦略を参考とした投資を試みており、すでに米保険会社を含む海外6社を買収している。



ロイター  2016年 08月 11日 09:50 JST 村田雅志
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-masashi-murata-idJPKCN10L0IU?sp=true

コラム:人民元ショック再来に要警戒

[東京 10日] -
 5月から6月に下落が続いた人民元の対ドルレート(元レート)は7月に下げ止まり、8月も下値の堅い動きを続けていることから、一見すると安定感を増しつつあるように思える。
 しかし、中国の資本流出と景気減速は続いたままだ。
 なんらかのきっかけで、元売りの動きが加速し、耐え切れなくなった中国当局が昨年8月と同様に元の切り下げに動くリスクは常に意識しておくべきだろう。

 元レ―トは、中国人民銀行(人民銀)が今から1年前(2015年8月11日)に、基準値を前日(10日)の1ドル=6.1162元から6.2298元へと、過去最大(1.8%)の大きさで元安方向に設定すると発表してから、
 「下落がしばらく続く」「やや買い戻される」「再び下落が続く」「やや買い戻される」
というパタ―ンを繰り返している。
 元レ―トが一定レンジでの推移を続けていた2014―15年とは対照的だ。

 人民銀は昨年8月、基準値が大幅な元安となった理由として、市場実勢に近づけるためと説明したが、市場では中国当局が元を切り下げたとの見方が強まり、元安が進展。
 元レ―トは翌12日に1ドル=6.45元近辺と約4年ぶりの元安水準を記録した。
 その後は落ち着きを取り戻したものの、11月に入ると再び元安基調で推移。
 今年1月8日には6.60元近辺と約5年ぶりの元安水準を記録した。

 そして、中国の大型連休(春節)直後の2月上旬には6.50元ちょうど近辺へと元高水準に戻り、4月末までは6.45―6.50元のレンジで安定した動きを続けていた。
 だが、5月に入ると再び元安基調で推移。
 7月末には6.70元ちょうどと2010年7月以来の元安水準に達した。

 その後、再び元高方向に推移し、8月に入ると一時6.63元まで元高が進んだ。
 しかし、一部メディアが今年末までに6.8元程度まで下落させるのが人民銀の意向であると報じているように、元買い戻しは続かないだろう。
 おそらく昨年8月からのパタ―ンどおり、再び元安方向に転じるとみられる。

■<中国の海洋進出や米利上げ観測もきっかけに>

 人民銀が緩急をつけながらも元安誘導を維持する背景には、中国の資本流出と景気減速の継続がある。
 中国の国際収支統計(速報値)によると、4―6月期の資本・金融収支は594億ドルの赤字と2010年7―9月期以来の大幅な赤字を記録した。

 速報値では資本・金融収支の内訳は直接投資のみが公表されるため、詳細の把握は難しいが、
直接投資は現行統計が始まった1998年以来最大の赤字(308億ドル)を記録。
 中国政府が推進する一帯一路(シルクロ―ド)構想に基づき中国からの対外直接投資が高水準を維持する一方で、
 中国への直接投資が世界的な金融危機が起きた2009年以来の低水準に落ち込んだことで赤字額が膨らんだ。

 中国景気の減速には歯止めがかかっていない。
 7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9と小幅ながら市場予想を下回り、5カ月ぶりの50割れ。
 輸入(元建て)は前年比5.7%減と市場予想を大きく上回る減少を記録した。
 4―6月期の中国国内総生産(GDP)は前年比6.7%増と市場予想に反し前期並みの伸びを維持したが、7月の両指標は7―9月期の減速を示唆しているように思える。

 資本流出と景気減速が続くのであれば、元安圧力が弱まることはない。
 元レートが元高方向に推移した7月の中国・外貨準備高は、ドル安効果も加味すると前月から100億ドル程度減少した模様だ。
 中国当局は元安ペースを抑制するために元買い介入を強いられている。

 元安圧力が根強い中、中国当局が元安ペースを抑制できているのは、世界各国で金利が低下し、ドルが伸び悩むといった外部環境によるところが大きい。
 しかし、外部環境が中国当局にとって都合のよいままである保証はなく、なんらかのきっかけで元売りの動きが加速する可能性は考えておくべきだ。

 例えば、南シナ海や尖閣諸島(中国名:釣魚島)などでの中国の威嚇行動がエスカレートすれば、中国が日本や日本の同盟国である米国と不用意に衝突する恐れも高まり、中国と日米の軍事衝突という連想のもと、市場のリスク回避姿勢を強め、元安(そして円高)を促す可能性がある。

 米国の追加利上げ観測も元売りのきっかけになり得る。
 7月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が25.5万人増と市場予想を上回る伸びとなるなど、米国の労働市場は拡大が続いている。
 アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」によれば、7―9月期の米GDP成長率は前期比年率3.7%増と前期から大きく加速する見込みだ。
 年内の追加利上げは十分視野に入っており、中国の資本流出懸念の強まりから元売りの動きが加速する展開も考えられる。

 おそらく中国当局は、元売りの動きが強まる場面では、これまでどおり元買い介入を実施することで元安ペースを抑制しようとするだろう。
 ただ、元買い介入によって外貨準備高の減少が続けば、中国国内外で元の下落懸念が強まり、中国の資本流出も拡大する。
 資本流出の拡大は元のさらなる下落につながり、中国当局が元買い介入に踏み切れば、外貨準備高はさらに減少する。つまり悪循環に陥る。

■<時間をかけたソフトランディングは可能か>

 問題の根幹は、中国の資本流出と景気減速が続く中、元の下落が不十分な点にある。

 人民銀が運営する中国外国為替取引システム(CFETS)公表のCFETS指数(13の通貨バスケットに対する元の為替レート)は、今年7月初めに94.1と2014年9月以来の安値をつけたが、中国の資本流出が始まる直前の2014年4―6月期(約90)の水準から比べれば4.5%ほど高い。
 4兆元の景気対策で中国が10%を超える成長率を記録していた2010年の平均(81.8)からみれば、約15%も割高な水準である。

 また、元の国際決済銀行(BIS)実質実効レートは2016年6月に123.14と、2014年10月以来の低水準に低下したが、中国の資本流出が始まった同年6月時点(113.62)からみて8%以上高く、2010年平均(100.0)からは23%の割高となる。
 比較に用いるパラメータや、比較の対象とする時期によって結果は異なるものの、元が十分に下落したと見なすことは難しい。

 外貨準備の減少、資本流出、そして元の下落がスパイラル的に続く状況(元安スパイラル)を打破するには、
 元が十分に下落し、資本流出が止まることが求められるが、
 元の割高度合いや現在の下落ペースから考えると、
 元安による資本流出に歯止めがかかるまで2―5年は必要となる。

 中国当局としては、その場しのぎの対応を繰り返しながら、数年単位の時間をかけて元を緩やかに下落させ、資本流出に対応したいのだろう。
 しかし、数年の間には、元売りを促すイベントは何度か生ずると考えられ、それをきっかけに中国経済が元安スパイラルに陥る展開もあり得る。
 この場合、元の割高解消を目的とした大幅切り下げの合理性が一気に高まることになる。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。著書に「名門外資系アナリストが実践している為替のルール」(東洋経済新報社)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。


2016.8.18(木)  Financial Times (英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年8月16日付)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47644

見えてきた中国発デフレの終わり
生産と投資の調整進む、日本の二の舞は回避か

 昨年末、ある投資家のグループが、米ナスダック市場に上場している中国企業、奇虎360科技を買収して非上場化することにした。
 投資家にとって最大の懸念は、十分高い値段が付くかどうかだった。
 高値は付いた。
 16億ドルの債務の引き受けも含め、買収額は93億ドルにのぼった。

 だが、資本流出に対する中国当局の厳しい監視の目は、買収プロセスにかかる時間が当初の見込みよりずっと長いことを意味した。
 中国の法律によると、セコイア・キャピタル・チャイナが率いる投資家連合は、外国人投資家から奇虎360の株式を買い取るために、中国本土に国内企業を設立しなければならなかったからだ。
 こうした海外株主に対する資金の送金には中国政府の承認が必要で、これにも予想よりずっと長い時間がかかった。

 中国の人民元が1.9%切り下げられてから1年余り。
 その後も元は対ドルでさらに4.3%下落している。
 現在も、通貨の緩やかな下落を容認しつつ、
 莫大な資本流出を引き起こすことを避ける微妙なかじ取り
が続いている。
 この7月には、今年1月や1年前ほど深刻ではないものの、資本の純流出が再び加速した。

 一方、資本流出を和らげるための当局の介入とは別に、やはり人民元相場を決定付けるファンダメンタルズ(基礎的条件)が変わりつつある。

 最も顕著なのは、中国が今、物価が下落し続ける経済から、デフレが和らぎ、ほぼ消え去ると見られる経済へと転換しようとしていることだ。
 これは過去50カ月間からの劇的な転換だ。
 何しろ、中国のデフレはこれまで、安価な製品の輸出とコモディティー(商品)価格の下落のおかげで、中国のみならず世界の大部分でも価格を押し下げてきた。

 JPモルガンの中国担当チーフエコノミスト、朱海浜氏は、デフレの終焉は「中国にとって何より前向きな展開だ」と言う。

 その影響は、中国国内と世界各地で感じられるだろう。
 デフレが特に厳しかったのは生産者物価だった。
 これは中国経済の多くの産業、とりわけ国有企業が支配している産業における絶え間ない過剰供給を反映した動きだ。
 この7月、生産者物価は前年同月比で1.7%下落した(6月は2.6%の下落)。
 だが、前月比では、実は0.2%上昇している。
 インフラ、不動産への投資が続いているおかげで、金属価格が生産者物価の上昇をけん引した。

 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の調査によれば、7月末には、中国はすでに鉄鋼および石炭の減産目標を達成する途上にあった。
 工業生産の減速と投資の削減はまさに中国本土が必要としていることだ。

デフレがまもなく終わりを迎えるというアナリストらの予想が正しければ、
 債務の実質負担が軽くなり、過剰債務を抱えた企業に一定の余裕を与え、中国を覆う最大の暗雲――債務の増大は持続不能で、金融危機は避けられないという懸念――を取り除くだろう。

 また、金融政策がタイトすぎると考えている人が多いが、資本流出にさらに拍車をかけないよう中国人民銀行(中央銀行)が利下げを恐れているときに、金利と銀行預金準備率の引き下げ圧力を取り除くことにもなる。

 「中国企業では、実質借り入れコストが大幅に低下している」
と朱氏は言う。
 「昨年は7%か8%前後だったが、今後、実質ベースで2%を割り込む可能性がある」。
 さらに、昨年は利益が不足する傾向があったが、朱氏は2016年について、ずっと明るい利益見通しを抱いている。

 ほかにも、中国企業が債務と対処するのを助けている作用がある。
 たとえ中銀が金利を引き下げなかったとしても、銀行各行は融資に代わる魅力的な投資先となる国内債券市場から競争上の圧力を受けている。
 「中国の債券は2014年以降、ドル建てで米国債をアウトパフォームしており、中国はSDR(特別引き出し権)の通貨バスケットのうち債券の名目、実質利回りがプラスになっている唯一の国だ」
と英アシュモア・グループのヤン・デーン氏は言う。

 インフレは常に諸刃の剣だ。
 過度に急上昇したら、投資家が補償のために証券の高利率を要求する可能性があるし、人民元が下落し、さらにたちの悪い資本流出を引き起こす恐れもある。

 だが、デフレの泥沼にはまった日本は、そうした事態の危険性を示している。
 現状では、中国の家計は日本と異なり、概して国債市場でプラスの利回りを稼げる。
 これは2009年の人為的に高い成長ではない。
 また中国が安全な避難先になるのは、恐らく何年も先の話だろう。
 だが、少なくとも中国はもう、目の前に迫った陥没穴のようには見えない。

By Henny Sender
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サーチナニュース 2016-08-18 11:37
http://news.searchina.net/id/1616692?page=1

アジアの経済は日本に依存?
大学教授の主張に「否、そんなわけない」=中国

 中国メディアの易匯はこのほど、シンガポール国立大学で教鞭を執る中国人教授が
 「日本経済はアジア経済全体の覇権を握っている」
と指摘し、アジアの経済は日本に依存していると主張していることを紹介する一方、同見解に対して批判的な見方を表す記事を掲載した。

 記事はまず、シンガポール国立大学の教授が
★.「中国を含むアジア諸国は日本の資本やハイレベルな科学技術に高度に依存しており、
 それによって持続的な経済成長を維持してきた」
と主張していることを紹介、さらに
★.日本の経済発展のおかげで「その他のアジア諸国も異常なスピードで経済成長した」
と分析していると紹介した。

 これに対し、記事は批判的な見方を提示、例えば現在の日本の経済状態は過去と異なり「半死半生」であると主張。
 またかつて東南アジアの電化製品はすべて日本製品だったが、現在は中国や韓国などの安い電化製品の出現によって、日本企業は苦戦を強いられているとの見方を示し、アジアの経済は日本に依存しているとの見方に対して反発した。

 記事は、シンガポール国立大の教授の主張を批判しているが、これは日本経済の働きを高く評価しているのが、同胞であるはずの中国人教授であるという点が関係しているのだろう。
 本来であれば共に日本に立ち向かうべき同胞が日本を称賛しており、しかも大学教授という社会に対して大きな影響力を持つ立場から発言しているという点は、中国のメディアにしてみればまるで仲間に裏切られたかのように感じるのだろう。

 シンガポールとマレーシアのクアラルンプールを結ぶ高速鉄道建設計画は2017年には国際入札が予定されており、シンガポール国立大の教授としての発言は一定の影響を及ぼす可能性は排除できない。
 記事がこの中国人の大学教授の発言に大きな警戒感を抱くのも当然と言えるだろう。




2016年7月29日金曜日

中国高速鉄道事業の暗雲(4):受注に向けて中国は「破格の条件」を提示する、日本の仕事は上手に当て馬を演じることである

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サーチナニュース 2016-07-27 10:45

マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道、
日本を意識せざるを得ない中国

 マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道の建設に向け、両政府は19日に覚書を交わした。
 2026年の開業を目指し、17年にも入札が行われる見通しの同プロジェクトについて、中国メディアの一財網は26日、日本や中国をはじめとする国による争奪戦が始まったと報じた。

 記事は日本側の動きを中心に伝えており、中国がマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道プロジェクトにおいて、いかに日本を意識しているかがよく分かる内容となっている。
 石井啓一国土交通相が22日にシンガポールで開かれたシンポジウムに出席しことにふれ、「新幹線がいかに日本に貢献してきたか」を強調したと伝えつつ、日本が積極的にトップセールスを展開していることを伝えた。

 一方、中国は自国の影響力拡大に向けた「一帯一路」構想のもと、アジアや欧州にインフラ設備の輸出を強化しており、東南アジアと雲南省を高速鉄道で結ぶ計画も推進している。
 マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道路線に中国高速鉄道の規格を採用させることができれば「一帯一路」構想の実現に向けて大きな弾みとなるだろう。

 記事は、中国企業はすでにクアラルンプールの高速鉄道始発駅とされる地域に20億ドルの投資を行っていると伝えつつ、国家の主導のもと「資金力」による攻勢をかけていると紹介。
 マレーシアの国営投資会社が保有していた「資金繰りが難しかった資産」を市場価格を上回る価格で買収したと伝え、
 「中国は買収を通じてマレーシアのナジブ政権を救済した恩がある」
などと報じた。

 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画で、中国が受注に向けて「インドネシア政府の財政的な負担を求めない」という破格の条件を提示したのは、日本が競争相手だったということもあるだろうが、「一帯一路」構想の実現に向けての布石だったとも考えられる。
 マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道路線は、場合によってはそのままタイやラオス、ひいては中国とも連結される可能性がある路線であるため、
 中国は受注に向けて改めて「破格の条件」を提示する可能性がある
だろう。


サーチナニュース 2016-07-29 15:23

また日本が「中国脅威論」を吹聴している!
インド高速鉄道計画で敗れたのも「日本のせい」=中国

 マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画がいよいよ始動する。
 日本と中国、さらにはドイツや韓国などの企業も入札に意欲を示しており、これから受注に向けた競争が激化する見通しだ。

 中国メディアの澎湃新聞はこのほど、日本のメディアが
 「中国はすでにラオスやタイで受注しており、今回の高速鉄道計画も受注すれば中国高速鉄道の規格が東南アジアで広く採用されることを意味する」、
 「そうなれば日本企業が参入するうえでの難易度が高まる」
と伝えたことを紹介する一方、中国鉄路総公司の関係者が「日本側の主張は気にしない」と述べたことを伝えた。

 記事は、日本メディアの報道について
 「日本がまた中国脅威論を煽っている」
としたうえで、こうした報道に対し、中国鉄路総公司の関係者が
 「われわれは自分たちの仕事をしっかりと行い、入札で勝つことこそが目的」
と述べたと紹介。
 中国鉄路総公司とは中国の鉄道建設や鉄道運行などを行う国有企業だ。

 続けて、中国の証券会社のアナリストの声として、日本が再び中国脅威論を吹聴したのは
 「中国が同建設計画で他国をリードしていることの表れであり、技術やコスト面で優位に立っていることの表れ」
と主張。
 一方、中国は日本が吹聴する「中国脅威論に警戒する必要がある」としたうえで、インドの高速鉄道計画で中国が敗れたのは
 「日本が中国脅威論を振りかざし、インドが地政学的な考慮から日本の案を採用したからだ」
と論じた。

 日本のメディアが
 「マレーシアとシンガポールの高速鉄道に中国案が採用されれば、東南アジアの高速鉄道市場に日本企業が参入するうえでの難易度が高まる」
と報じたことは、
★.特に中国脅威論ではなく、
 単に見通しを指摘しただけに過ぎず、中国側の過剰な反応と言わざるをえない。
 それだけ中国側が同高速鉄道計画への受注に向けて日本を意識している
ということの表れとも言えるだろう。

サーチナニュース 2016-08-02 07:55

中国高速鉄道は日本に「この上ない緊迫感」を抱かせている=中国報道

 日本と中国の高速鉄道がアジア各国で受注競争を展開しているのは周知の事実だ。
 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画では中国が受注したが、今度はマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道が競争の舞台となる。

 日本と中国の高速鉄道市場における競争に対し、中国メディアの人民鉄道網はこのほど、中国高速鉄道は日本に「この上ない緊迫感」を抱かせていると主張する記事を掲載した。

 記事は「日本が中国高速鉄道に対して緊張感を抱いている」と主張した理由の1つとして「中国高速鉄道の発展のスピード」に言及。
 2003年当時、中国高速鉄道の歩みは国内外の強烈な疑いの声のなかで始まったと指摘、しかし
 「10年後に中国高速鉄道の営業距離は1万9000キロメートルを突破した」
と説明した。
 極めて短期間で世界最長の高速鉄道網を構築したことに日本が緊張感を抱いているとの主張だ。

 さらに別の理由として、
 「中国高速鉄道の総合的な技術力」を指摘。
 中国の国土は緯度差50度、経度差62度もあり、複雑な地質および気象条件が存在すると説明したうえで中国高速鉄道の建設や運営はさまざまな自然環境下で厳しく試されていると指摘
 このことは「中国高速鉄道の総合技術の確かさを充分に証明しているもの」
と論じた。

 記事はこうした理由により、中国高速鉄道は日本に「この上ない緊迫感」を抱かせていると説明しているが、シンガポールとマレーシアのクアラルンプールを結ぶ高速鉄道建設計画の受注競争が繰り広げている今、こうした要素は逆に中国にとって不利になる可能性もある。
それは自信過剰だ。
 対戦相手の存在するどんな競争についても言えるが、絶対にしてはならないのが過剰な自信のもとで対戦相手を軽く見ることだ。
 中国高速鉄道がさまざまな自然環境下で運営がなされていることは事実だが、過去に重大な事故を起こした事実は消すことはできず、技術力をアピールするよりも過去を教訓として、再発防止のためにどのような取り組みを行ったかをアピールしたほうが効果的ではないだろうか。
 ゴーストタウンを建設すると同じ手法で高速鉄道を建設しているのが中国の政策。
 つまり、GDPの数字を上げるためだけにものを作っている。
 イニシャルコストのみをあげようとしている。
 イニシャルコストはGDPに反映されるからだ。
 しかし作ったあとはすぐに、赤字路線に転落する。
 ランニングコストに転嫁される。
 赤字高速鉄道をいくら作って路線距離を延ばしたと広言宣伝してみても所詮はツケは回ってくる。
 こういう内容の記事を書かねばならぬほどに心理的に追い詰められているのかもしれない。
 なにか「相手の弱いところを探しだしてホッと一安心したい」という感覚なのだろう。
 そうでもしていないと心がどうにも落ち着かないのだろう。


サーチナニュース 2016-08-04 10:35
http://news.searchina.net/id/1615709?page=1

日中による高速鉄道の受注競争、
「競争が熾烈なのは買い手が少ないから」=中国

 2017年に入札が実施される可能性のあるシンガポールとマレーシアのクアラルンプールを結ぶ高速鉄道計画において、日本と中国の受注競争がすでに水面下で激化しているが、中国メディアの捜狐はこのほど、このプロジェクトにおける日中の受注競争が熾烈なのは「買い手が少ない」という事実も関係していると論じた。

 「多くの国家にとって、高速鉄道の建設はまだコンセプトの段階にある」
と記事は指摘し、たとえ中国あるいは日本の政府や企業の助力があっても、市場の需要を解決しなければ大きな進展は見込めないと説明した。
 つまり高速鉄道を日常的に利用する乗客がいるような市場はそう多くはないということだ。

 さらに「市場の需要は国土や都市の構造、人口、経済発展の速度などの基礎的な要素が決めること」だと説明。
 現在のところ、高速鉄道の採算がとれるであろう国や地域は多くないのが現実だと指摘した。

 記事の論点を整理すると、日本と中国による受注競争はパイが非常に限られているゆえに熾烈になっているという点だ。
 しかも、パイを増やそうにも高速鉄道の需要は人工的に創出できるものでもない。
 しかし高速鉄道市場の需要が現段階でそれほど存在しないからといって、マレーシアとシンガポールを結ぶプロジェクトを相手に譲ることはできない。
 将来、東南アジアで高速鉄道の採算がとれる国や地域が増えたとき、マレーシアとシンガポールを結ぶプロジェクトに採用された高速鉄道システムが有利になるであろうことは明白だ。

 記事は今回のプロジェクトの受注を獲得するための「日本の決心と力の入れ具合はかつてないレベル」だと指摘しているが、官民一体で取り組む日本側は現在の利益だけでなく、将来的に生じるであろう巨大な利益をも視野に捉えているに違いない。


サーチナニュース 2016-08-16 07:21

高速鉄道受注に必死な日本、
閣僚による売り込みに加え「親民路線」でも攻める=中国メディア

 中国メディア・第一財経は10日、日本と中国が受注を争うシンガポール−マレーシア高速鉄道について、日本が掲げる強みと、受注に対する意気込みについて紹介する記事を掲載した。

 記事は、同高速鉄道の受注を巡る争いの中で、中国の企業連合体がコストの低さ、熱帯における高速鉄道建設の経験、緩い融資サービス、そしてマレーシア側の終点周辺の土地をすでに中国企業が購入済みといったメリットを持っていると紹介した。

 その一方で、日本も同プロジェクトに巨大な情熱を注いでいるとし、日本の新幹線が安全性の高さ、車体の軽さやエネルギー効率の高さによる運営コストの低さ、整った技術者育成体系をメリットに掲げて売り込みをかけているとした。
 また、各駅に飲食、ショッピングなどを一体化した商業施設を建設することで、現地市民の生活の質やビジネス環境を向上させるという「売り」もアピールしていることを伝えた。

 そのうえで、インドネシア高速鉄道プロジェクトで中国に敗れた日本は、同鉄道プロジェクトを「雪辱の機会」と捉えており、政府も官民一体の姿勢で売り込みを強化していると説明。
 先日の伊勢志摩サミットなど外交イベントがあるたびに、閣僚が関係国に新幹線を採用するよう働きかけているとした。

 また、外交によるPRと同時に日本は「親民路線」を歩むことも忘れていないと紹介。
 その例として今年1月には日本貿易振興機構がシンガポールで高速鉄道シンポジウムを開催し、現地市民に新幹線の乗車体験をさせるといった動きを伝えている。

 建設コストが低くても、安全性が担保されなければ市民には利用されない。
 だからといってあまりに高コストでは運賃が高くなってしまい、やはり市民は寄り付かない。
 そしてコストについては、建設にかかるものだけでなく、完成後のメンテナンスを始めとするコストについても考慮しなければいけない。
 さらには鉄道以外の経済的、政治的な要素も存在する。
 受注争いを繰り広げる入札側が一生懸命になれば、受注先を決める発注側も難しい判断に迫られることになるのだ。
 日本人の多くはとりたてて高速鉄道の海外売り込みに興味はない。
 経済案件であるので商売として成り立てば可ということになる。
 しかし、中国の高速鉄道売り込みには時に政府当局の命運がかかっている。
 受注出来なくなればそれは「外交の失敗」となる。
 当局の汚点になる。
 破格の価格で受注して、結果として無理のし過ぎで動けなくなったりしてしまうのはそのためだろう。
 またもし受注できなかったときのために、あらかじめ予防線を張っておくのも、保身のためである。
 前もって、相手の弱みをオーバーに言い立てることは中国の常套手段だが、それを逆に使って相手の強みをオーバーにプロパガンダして、失敗した時のクッションにしていくこともできる。 
 この記事などその保身の典型といっていい。

人民網日本語版配信日時:2016年8月22日(月) 16時40分

マレーシア−シンガポール高速鉄道、
日中の戦いか―中国メディア

 マレーシアとシンガポールは7月19日、マレーシア-シンガポール高速鉄道の建設に関する了解覚書に調印した。
 この地域の相互連携を促進する重大インフラプロジェクトが前に向かって重要な一歩を踏み出したことが、外界の注目を集めている。
 高速鉄道技術を擁し、入札に参加する意志のある国や企業は、来る入札に備え急ピッチで準備を進めている。
 両国メディアと一連の業界アナリストの間では、同高速鉄道は主に中国と日本との競争になり、マレーシアでは中国がやや有利との見方が広がっている。
 新華社が伝えた。 

▽注目を集めるのはなぜ? 

 現在、マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ主な交通手段は道路と空路だ。
 道路は通行量に限界があるため、祝休日やラッシュ時はすぐ渋滞になる。
 特にマレーシア南部ジョホール州とシンガポールを結ぶジョホール・シンガポール・コーズウェイは渋滞がひどい。
 空路はクアラルンプールからシンガポールに向かった旅客が通常着陸するクアラルンプール国際空港ともう一つの小規模な空港は、いずれもクアラルンプールの中心部からそれなりの距離があり、移動には時間と費用がかかる。 

 計画によると、同高速鉄道は全長350キロメートルで、最高時速は300キロメートルを超える。クアラルンプールとシンガポールをそれぞれ起点(終点)とするほか、沿線に6駅が設置され、すべてマレーシア国内に設置される。 

 同高速鉄道はクアラルンプールとシンガポールとの移動時間を2時間半に縮小し、一番速い列車だとわずか90分になるという。
 両国はもとより、東南アジア地域の相互連携を効果的に促進するものと期待される。 

 7月の了解覚書調印式の席で、マレーシアのナジブ・ラザク首相とシンガポールの李顕竜(リー・シェンロン)首相はどちらも、「マレーシア-シンガポール高速鉄道は両国国民の生活スタイルを変える可能性がある」との見方を示した。
 双方が発表したタイムテーブルによると、両国政府は年内に正式な二国間合意に調印できるよう努力し、2026年の開通を目指すという。 

▽各方面が意欲示す 

 マレーシアも政府もシンガポール政府も同高速鉄道プロジェクトの予算を発表していない。
 現地メディアの試算によると、100億ドル(1ドルは約100.1円)から150億ドルになるという。
 プロジェクトのスタートが明らかになると、高速鉄道技術をもつ国・企業はさっそく興味を示した。 

 昨年10月、両国は同高速鉄道に対する意見や関心を公開募集し、ビジネスや技術的問題に対する業界の声を集め、今後の二国間での話し合いや入札の参考資料とした。
 企業・連合体から98件の回答が集まり、欧州からは56件、中国や日本など東アジア諸国からは14件だった。 

 同高速鉄道の入札はまだ始まっていないが、各方面はすでに力を入れ始めている。
 中国と日本はマレーシアで高速鉄道に関する展示会とシンポジウムを開催し、韓国の韓国高速鉄道(KTX)はクアラルンプールの大規模ショッピングセンターで1店舗を借り上げ、自国の高速鉄道技術を展示アピールした。 

 マレーシアとシンガポールが高速鉄道をめぐり一致したことにより、入札を検討する国は両国政府に対する宣伝やロビー活動を盛んに行っている。
 マレーシア交通省の廖中莱(リオウ・ティオングライ)大臣がソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で明らかにしたところによると、マレーシアとシンガポールが覚書に調印した前後の今年の6月から7月にかけて、韓国国土交通部の姜鎬人大臣、日本の国土交通省の石井啓一大臣、マレーシア、オーストラリア、中国によるマレーシア航空370便捜索をめぐる3カ国閣僚会合に出席するためマレーシアを訪れた中国交通運輸部(交通運輸省)の楊伝堂部長とそれぞれ会談したという。 

▽中国が優位 

 両国メディアや一連の業界アナリストの間では、同高速鉄道は主に中国と日本との競争であり、マレーシアでは中国がやや有利との見方が広がる。
 韓国も強い関心を抱き、日中が激しい競争を繰り広げる中で有利な位置に立とうとしている。 

 今年5月、中国鉄路総公司の盛光祖社長が中国企業の連合体代表団を率いて両国を訪問し、関連当局の関係者と会談した。 

 盛社長は、
 「中国企業連合体は高速鉄道プロジェクトの調査研究を終えている。
 総合的技術プラン、投融資モデル、運営管理、土地の総合開発など多くの課題について掘り下げた研究を済ませており、
 マレーシア-シンガポール高速鉄道プロジェクトの実施に向けて、投融資、プロジェクト建設、設備製造、運営管理、総合開発、人材育成など系統的なソリューションを提供することが可能だ。
 中国企業連合体は両国の法律と国際的な慣例に従い、
 公開、公正、公平な環境の下で同高速鉄道プロジェクトに参加し、互恵・ウィンウィンの原則に基づいて、中国高速鉄道の発展経験を両国と共有したい」
と述べた。 

 マレーシアの交通ルール専門家・呉木炎(ゴー・ボックエン)氏は、
 「入札に参加する各方面は技術的には目立った差がない。
 マレーシア-シンガポール高速鉄道のような大型インフラ建設において、
 中国はビジネスの観点やビジネスモデルをよりどころとして入札に参加するだけでなく、
 政治、経済、文化、教育の各方面に関わる一連の友好的な措置を起点とし、
 同時に人々の支持も得ようとしている。
 たとえば中国中鉄株式有限公司は計画で同高速鉄道の始発駅とされるマレーシア『大馬城』のプロジェクトに参加し投資している。
 中国中車集団孔子はマレーシアのASEAN製造センターで昨年、運営に投資し、同センターは高速鉄道車両の製造能力をもつようになった」
と話す。 

 呉氏の言葉のように、マレーシア-シンガポール高速鉄道の入札には政治的な要素があり
 始まるまではすべての面に変数が存在するといえる。
 このプロジェクトを争うのはマラソンを走るようなもので、実力が試されるだけでなく、忍耐力も必要になる。

(提供/人民網日本語版・編集/KS)
 中国はメンツにかけて破格の価格で落札する
だろう。
 これに対抗する手段は日本にはない。
 日本は当て馬であり、日本の仕事はこの当て馬の役割を上手に演じて
マレーシア・シンガポール両国に多大の利をもたらすことである。
 それによって、いわば恩を売っておく、というのが日本の有り様になる、と思える。







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中国戦闘機J-15、空母着陸訓練中に墜落:空母機動部隊運用の夢が遠のく?

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●CNTV - J-15 Naval Fighters Aircraft Carrier Testing

<予備>

●China's aircraft carrier CV-16 Laoning and J-15 fighter jets in training (December, 2015)
2015/12/25 に公開



中央日報日本語版 7月29日(金)8時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160729-00000004-cnippou-kr

中国戦闘機J-15、空母着陸訓練中に墜落

 中国の主力戦闘機J-15(殲15)が試験飛行中に墜落し、パイロットが死亡していたことが確認された。
 これを受け、中国の大洋海軍戦略に支障が生じるという見方が出ている。

 中国人民日報などによると、4月27日に陸上基地から空母への着陸訓練をしていたJ-15が墜落した。
 事故の原因は飛行操縦制御装置の故障と判明した。
 死亡したパイロットはチャン・チャオ少佐(29)。
 中国政府は戦闘機の状態については詳しく説明しなかった。

 J-15は中国初の空母「遼寧」の主力艦載機。
 中国は3月にJ-15が「遼寧」に離着陸する場面を公開したりもした。
 今回の事故をめぐりJ-15開発に決定的な問題があるのではという観測が出ている理由だ。

 中国は「遼寧」に続く2番目の空母を建造している。
 「遼寧」はウクライナから購入した空母を改造したが、2番目の空母は独自の技術で建造中だ。
 今回の事故につながった技術の欠陥を解決できなければ、空母戦略化に支障が生じることもある。



朝鮮日報日本語版 7月29日(金)9時32分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160729-00000740-chosun-kr

 中国の主力艦載機「殲15」、訓練中に墜落

 中国初の航空母艦「遼寧」の主力艦載機として開発され、テストが進んでいる「殲15」戦闘機(写真)が訓練中に墜落し、パイロットが死亡したという。
 事故のニュースは、発生からおよそ3カ月を経て国営メディアによって公にされた。
 中国当局が空母艦載機の事故を公にするのは異例。

 今年4月27日、陸上の基地で空母への着艦訓練を行っていた殲15戦闘機1機が、降下中にデジタル飛行操縦制御システムが故障して事故を起こし、パイロットの張超少校(少佐に相当)=29=が死亡した。
 中国中央人民放送(CNR)が27日に伝えた。同放送によると、事故の際、張少校は非常脱出を試みたが、地面に落下して重傷を負い、治療中に亡くなった。

 しかし中国人民解放軍海軍は、事故が起きた基地がどこなのか、事故を起こした戦闘機はどのような状態だったのかなどについては明らかにしなかった。

 殲15は、中国が空母保有戦略と歩調を合わせて艦載用に開発した戦闘機で、折り畳み式の翼や強化されたランディングギアなどを有している。
 中国は今年3月、殲15が空母「遼寧」から離着艦する場面を公開している。

 香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は、今回の墜落事故で殲15開発計画に支障が生じ、中国の空母運用戦略も打撃を被ったと伝えた。
 マカオ国際軍事学会のアンソニー・ウォン(黄東)会長は、同紙のインタビューで
 「今回の事故は、殲15が空母艦載機の基準に達していないということを示している。
 1980年代当時、ソ連のスホーイ27戦闘機がそうであったように、飛行制御装置の故障や品質の問題で墜落したこともあり得る」
と語った。



時事通信 8月1日(月)14時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160801-00000064-jij-cn

空母艦載機が死亡事故=制御システム故障―中国

 【北京時事】
 1日付の中国各紙は、4月27日に行われた訓練中に空母艦載機「殲15」の事故が発生し、パイロット1人が死亡したと報じた。

 電子制御システムの故障が事故の原因。
 訓練は既に再開されているが、致命的な設計ミスが解決されていない可能性も指摘されている。

 訓練は空母への着艦を想定し、陸上の基地で実施された。
 低空飛行から着陸後に異常が発生し、殲15の機首が急に持ち上がり、再び離陸。
 パイロットはパラシュートで脱出を試みたが、地面に落ちて致命傷を負った。
 パイロットの技術は優れていたとされている。

 訓練は6月16日に再開されたが、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、軍用機の事故原因を約1カ月半で突き止め、システムを改良することは困難との軍事専門家の分析を伝えた。
 脱出装置に欠陥があった可能性もあるという





●中国のJ-15艦上戦闘機に致命的な欠陥か 中国の空母計画は失敗へ
2016/07/28 に公開



Record china配信日時:2016年7月29日(金) 15時20分
http://www.recordchina.co.jp/a146068.html

中国人民解放軍、2025年には空母6隻体制に
=うち2隻は原子力空母―米メディア

 2016年7月28日、参考消息網によると、中国は2015年には空母6隻を保有し、うち2隻が原子力空母だと米メディアが予測している。

 米ハフィントンポストは、中国人民解放軍が2025年には空母6隻を保有しているとの記事を掲載した。
 現在就役しているのはウクライナから購入した遼寧号だけだが、
 今年末には初の国産空母が完成するとみられる。
 3隻目となる空母もすでに建造が始まっているもようだ。

 中国海軍は2025年までに空母6隻を建造。うち2隻は原子力空母にすると計画している。
 壮大なプランだが、軍事力強化にまい進する中国ならば不可能な話ではない。
 現時点では米中の軍事力には大きな開きがあるが、今後その差が縮小することは間違いない。



サーチナニュース 2016-08-06 07:09
http://news.searchina.net/id/1615866?page=1

中国初の国産空母の建造スピード「日本の予言」を大きく上回る!=中国報道

 競争相手に自分の仕事に対する能力やスピードを正当な根拠もなく否定されたら、誰だった穏やかな気持ちでいるのは難しい。
 そうした否定的な見方を論破するために、自分には能力があり仕事も速いということを実際に示したいと思うのが人情だろう。

 現在、中国は「001A型」という名で呼ばれる初の国産空母を建造中だが、中国メディアの頭条軍事はこのほど、中国初の国産空母の建造スピードが「日本の予言」を大きく上回っていると主張する記事を掲載した。

 この「日本の予言」とは日本の軍事専門家による予想であると記事は説明。記事によればかつて日本の軍事専門家は
 「遼寧の改造に10年もの年月を費やした中国は、国産空母の建設に少なくとも10年はかかる」
と予想していたという。

 しかし「中国国産空母のうれしいニュースがある」と紹介、「ネットユーザーが撮影した最新の写真から判断すると、まもなく飛行甲板が取り付けられて船体部分の建造は完成する」と説明。
 さらに記事はある軍事専門家が
 「現在の建造スピードであれば、中国初の国産空母は間もなく完成し、
 2018年には海軍に正式に引き渡すことができる
と分析していると紹介した。

 「遼寧の改造に10年もの年月を費やした」という部分だが、中国は1998年にウクライナから未完成の空母「ワリヤーグ」を購入しており、改造に14年の歳月をかけて12年に「遼寧」として就役させた。

 一方で「001A型」については、13年から遼寧大連造船廠で建造が始まったとの見方がある。
 もし18年に中国海軍に正式に引き渡すことができたなら、「日本の予言」の半分の時間で初めての国産空母の建設に成功することになる。




【参考】

産経west 2016.5.29 15:00
http://www.sankei.com/west/news/160529/wst1605290003-n1.html

 中国の空母艦載機「J15」お払い箱に?
 …欠陥露呈で“パクリ先”ロシアに支援要請か

 覇権獲得のためになりふり構わぬ軍拡を続けている中国だが、やはりそのひずみはそこかしこに出ているようだ。
 中国が初めて保有した空母「遼寧」の艦上戦闘機J15に技術的な欠陥が見つかり、ロシアに技術支援を要請するか、代替機を探さざるを得ない状況になっている。
 もともとJ15はロシアの艦上戦闘機Su33を模倣して製造したものだ。
 要するに未熟さ故に模倣しきれず、“パクリ先”のロシアに泣きつこうとしているということになる。

■生産数はたったの16機どまり

 カナダの軍事情報サイト「漢和防務評論」や米華字ニュースサイト多維新聞によると、J15は配備から4年がたつが、これまで生産数は16機にとどまっている。
 量産化が大幅に遅れているため、空母向けのパイロット養成に大きな支障が出る可能性がある。

 J15は旧ソ連・ロシアの戦闘機Su27の艦上機型であるSu33を中国が国産化したものだ。
 中国はSu33を購入しようとロシアと交渉していたが、技術提供や価格などで折り合えずに決裂。
 このため、中国は旧ソ連崩壊で独立したウクライナに接近し、ウクライナが保有していたSu33の試作機を入手し、艦上戦闘機に関する技術を取得。
 J15の開発にこぎ着けた。
 遼寧そのものも建造に着手されながら、ソ連崩壊のあおりを受けてスクラップ同然となった未完成の空母「ワリヤーグ」をウクライナから購入し、改修したものだ。

■戦力化は間近との見方もあったが…

 中国の国営新華社通信は2012年11月、遼寧で艦載機による発着訓練が実施され、成功したと報道。
 中国のテレビニュースでは2機のJ15が遼寧に着艦してスキージャンプ台を使って発艦する様子が放映された。

 J15に関しては、中国海軍司令員の呉勝利上将が2015年12月に遼寧やその航空部隊を視察したことなどを受けて、駆逐艦や補給艦などを従えた遼寧が機動部隊として洋上を航行する日はそう遠くなく、2016年夏ごろには戦力化されるとの分析もあった。

 「漢和防務評論」は、
 「J15は技術的な問題が多く、遼寧への配備後も、艦上でのメンテナンスが行われていない」
としているが、今のところ技術的な問題がどのようなものかは定かになっていない。
 しかし、J15の元になったSu27は今から40年近く前の1970年代に開発された点を考慮に入れると、特にエンジンに関するトラブルを抱えている可能性が高い。

■技術不足で高性能エンジンの開発ができず

 J15に限らず、空母の艦上戦闘機は急激な発着を繰り返すため、陸上で発着する戦闘機に比べて機体やエンジンにかかる負担が大きくなる。
 また、潮風にさらされるためにメンテナンスも容易ではない。

 J15に搭載可能な中国が独自に開発したエンジンとしてはターボファンエンジンの「WS-10」がある。
 しかし、エンジンの寿命が短いなど性能や信頼性の面で問題があるといわれている。
 中国がウクライナからSu33の試作機を購入した際、完璧な設計図を手に入れることができなかったのではないかという軍事問題専門家の指摘もある。

 こうしたことから中国は、空母艦載用として適しているとされるロシア製のエンジン「AL31F」をJ15に搭載しているが、
 Su33を無断でコピーしてJ15を製造した中国は正式なルートでロシアから「AL31F」を購入することができない。
 現在、J15が積んでいる「AL31F」は、中国が合法的にロシアから輸入したSu30MKKやSu27SKなどから“転用”したものだ。
 ただ、これではSu30MKKやSu27SKは本来の性能を発揮できるわけがない。
 J15の問題は中国の航空戦力に深刻な影響を与え始めていることになる。

■空母機動部隊運用の夢が遠のく?

 「漢和防務評論」は代替機を導入する場合、ロシアが開発し、インド海軍が導入している空母艦載機Mig29K戦闘機か中国の第5世代戦闘機のJ31を候補に挙げている。

 しかし、ロシアがMig29Kを売却するかどうかは中露両国の軍事協力の行方やロシアと西側諸国との関係に影響されるなど不確定要素が多い。
 また、艦上機型のJ31の製造・運用にこぎつけるまでには10~15年は必要になる。
 一日も早い空母機動部隊の運用を夢見る中国がそんなに待てるはずがない。

 「漢和防務評論」は、中国にとってJ15の改良を続けることが最も可能性のある案で、Su33を製造したロシアのスホーイ社から専門家を招請し、設計図を入手するのが現実的な方法だと指摘している。
 もちろん、ロシアに対して正式に技術支援の要請をすることは、中国がSu33を勝手にコピーしたことを認めて、“わび”を入れることにもなるが、「漢和防務評論」は、資金さえ出せばロシアは中国にSu33の設計図を渡すはずだと分析している。





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