アメリカの反対を押し切ってAIIBに積極参加した韓国。
これによって米韓関係をひどく悪化させた。
そこに北朝鮮のミサイル発射。
慌てふためいてTHAADの受け入れを表明。
今度はこれで中韓関係がとんでもなくギクシャクしてきた。
日韓通貨交換(スワップ)協定を昨年打ち切って反日に大きくシフトした韓国。
抗日パレードにプーチンと並んで満面の笑みをたたえて壇上に立ったパク・クネ。
ところが経済のすさまじい低落にビックリして慰安婦問題を前面から引っ込め、反日を抑えこもうとするスタンスに動いた韓国政府。
さらには頭を下げてスワップ協定を申し入れるまでに事が進んでいる。
まったくこの国はツイていない。
ブレが大きすぎ、日和見、事なかれ、無思想、コウモリ外交、告げ口外交、二股外交と悪名が並びすぎる。
右から左へ、左から右へとすさまじい程の振幅の大きさ。
目一杯揺れている、揺れすぎて「地獄朝鮮」にまでなってしまっている。
韓国の経済の信用下落を日本に支えてもらおう
という魂胆である。
「日本はない」
と浮かれていた姿は今は何処にあるのだろうか。
その場限りの一時しのぎで過ごすのが’韓国で、反省して身を引き締める、というのはないらしい。
日本としては対中国の最前線に韓国が立っていてくれるという地政学的利があり、それ以上は多くを望んでいないのいだろうが。
前線国に対する後援補給にちかいのがこのスワップのように思える。
『
Yahooニュース 2016年8月28日 12時6分配信
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160828-00061592/
日韓通貨交換(スワップ)協定で日本は何を得るのか
8月27日に「日韓財務対話」がソウルで開かれた。
これは日本と韓国の財務当局が経済・金融問題を協議するもので、通貨交換(スワップ)協定の再開に向けての議論が始まるかどうかが注目された。
日本は日本側からこのことを持ち出すことはないが、韓国からの要請があれば検討するというスタンスをとり続けてきた。
今回は韓国側が要請してきたので、検討するということだ。
日本と韓国の関係はこじれてきたが、日韓外相会談が8月24日に日本で開催されて、非常によい雰囲気であったと報じられている。
冷めつつある中韓関係を反映して、日韓首脳会談の方が中韓首脳会談よりも和やかな会談であったという。
東アジア情勢は急速に動きつつある。
スワップ協定とは、韓国が経済危機になった時にウォンを担保にドルや円などの外貨を融通するものだ。
ウォンの価値をあらかじめ決めておくので、その時のウォン=ドル・円のレートによっては日本が損害を受けることも想定される。
もちろん協定上は、日本が経済危機になった時に円を担保にドルや円などの外貨を融通することも想定はされているが、実際には日本と韓国の経済規模や通貨の信頼性等を考慮すると起きえる事態ではない。
日本が経済危機になる可能性があってもその場合には韓国が救える規模ではないこと、そしてそうした場合には韓国経済も少なくとも日本同様に厳しい状況にあると考えられるからだ。
基本的に日本が韓国が経済危機の時に支える約束をして韓国の信用を担保するというものといえる。
日本にはメリットがないという意見も強い。
しかし視点を変えてみればそうとは言えない。
交渉次第と言える。
基本的に隣国の経済が破綻するというのは日本にとっても様々な被害がかかってくる可能性がある。
韓国の国際関係におけるポジションは脆弱だ。
経済破綻すると対中戦略、対北朝鮮戦略などでどのように動くかわからないところがある。
日本がしっかりと支えるということは地域の安定ということからも重要だ。
また日韓貿易は縮小してきたといってもかなり割合はある。
韓国経済が破綻すると日本企業にもかなりの悪影響があると考えられる。
それとともに日本は韓国との外交交渉において強いカードを持つことになる。
この通貨交換(スワップ)協定は「お互いに」ということをうたいながら、実際には
日本が韓国を支えるというもので、
これは日韓両国の担当者は当然認識している。
日本は強い立場で交渉できることになる。
だからこそ、韓国は自分の側からこの協定の要請をしたくなかったのだ。
日韓関係のここまでの冷え込みの要因の一つは朴政権のスタンスにあった。
「反日・親中」のスタンスを明確にし、交渉さえも遮断してきた。
慰安婦問題や竹島問題についての反日キャンペーンは目に余るものがあった。
「問題を解決する」という姿勢はあまり感じられず、
「日本を貶める」ことにプライオリティが置かれている感があった。
対話さえ否定する状態では状況は悪化するばかりであった。
実際に、日韓の両国で国民感情は非常に悪くなっている。
ワールドカップの日韓共催やヨンさまブームは今は昔の話となった。
両国ともに国民感情にまで深く入り込む複雑なものになっているので、全体の雰囲気がすぐに変わることはない。
あまりに反日路線が長すぎた。
2~3年で終わっていれば短期の修復は可能であったろうが、朴政権以前から始まった反日路線はかなり長期にわたっている。
朴政権で強化されたものだ。
まずはこの路線を大きく変更することが必要だ。
「極右」で「反韓」と批判される安倍首相だが、実際にはほぼ一貫して韓国には対話の要請を行っている。
安倍昭恵首相夫人は韓流ファンとしても知られている。
にもかかわらず、ここまで日韓関係は冷え込んだ。朴大統領の任期はあと1年半にすぎなくなった。
その間、日韓関係の改善に自ら旗を振って欲しい。
それくらいのことをしないのであれば、スワップ協定を結ぶ必要があるかどうか。
慎重に考えなければならない。
今回、韓国がスワップ協定を持ち出してきたことの背景と意味についても考えたい。
1].厳しい韓国経済
韓国政府は否定するものの、現在の韓国の経済状態は悪く、資金運用が困る事態が想定されていることが考えられる。
韓国銀行(中央銀行)が8月3日公表した
7月末現在の外貨準備高は3713億8000万ドル(約37兆8000億円)で、世界的にも7位にランクイン
されるものである。
韓国経済は外国資本の割合が高く、ウォンの価値の下落や外国資本の流出などによって状況が一気に悪くなることが想定される。
韓国政府は「問題ない」と強調するが、実際にはかなり不安要素があるのではないか。
2].中国の対応変化
朴政権は親中路線を明確にして、中国頼みの方向を打ち出してきた。
しかし、THAAAD配備に関して中国との関係が相当に崩れている。
朴政権は中国がどこまで韓国の経済危機に責任を持ってくれるのか不安になってきたのではないか。
中国経済にも暗雲が立ち込めている。
中国の外貨準備高は世界一で圧倒的だが、
実際に使える外貨額はかなり限定されているといわれる。
かなりの部分に紐付け、つまり予約がされているというのだ。
正確なところはわからない。
少なくとも、中国に全幅の信頼をおける状態ではない
ということだろう。
3].北朝鮮の動き
北朝鮮の挑発が激しい。
核実験やミサイル実験が頻繁に行われるようなった。
大規模攻撃が来なくても、ジャブのようなミサイル攻撃や偶発的な戦闘などが起きても、実は韓国経済には大きな影響を与える。
外国資本は相当に流出するし、ウォンも急落する可能性がある。
北朝鮮のミサイルはソウルを火の海にしなくても、山間部へのミサイルだけでも韓国に深刻なダメージを与えることができる。
南北対立が激しくなれば、当然これくらいのことは想定することが必要だ。
4].日本との関係改善
日本との関係改善はできそうで、遅々として進んでいない。
慰安婦像は撤去どころか海外でも新たに作られている。
両国の国民感情も悪化したままだ。
日本は「和解・癒やし財団」に約束通り10億円の資金提供を決めた。
これを契機に韓国は日本との関係改善を進めることを考えているのだろう。
ただこれはなかなか進んでいないという現実もある。
慎重に韓国政府の対応を見守ることが必要だろう。
日韓通貨交換(スワップ)協定は確かに韓国の側にメリットが大きく、日本はすべきでないという議論はある。
しかし交渉の仕方によっては、リスクはそれほど大きくなく、メリットもあるものになる。
交渉次第だ。
東アジアが非常に不安定になっている中で、日韓関係の改善は両国において重要な課題だ。
しっかりと交渉し、日韓ともにメリットのある通貨交換(スワップ)協定としてほしいと願う。
拙速は避けたいところだ。
』
『
Record china配信日時:2016年8月28日(日) 17時10分
http://www.recordchina.co.jp/a148789.html
日韓通貨スワップ協定再開決定
=韓国ネット「結局韓国側が日本にお願いしたような形になってしまった」
2016年8月27日、韓国・聯合ニュースによると、日韓両政府が通貨スワップ協定再開に向け議論を始めることで合意した。
麻生太郎副首相兼財務相と、柳一鎬(ユ・イルホ)副首相兼企画財政部長官は27日、韓国政府ソウル庁舎で日韓財務長官会議を開き、昨年2月を最後に中断されていた2国間通貨スワップ協定再開に向け議論を始めることで合意した。
柳副首相は
「韓国が通貨スワップ議論を提案し、日本が合意した」
とし、「ようやく議論を再開することになったが、実際の通貨スワップ再開までは数カ月かかる」と述べた。
通貨スワップの規模と協定期間などは今後の議論を通じて決定される。
まだ議論の日程は決まっていない状態だ。
通貨スワップは、通貨危機など緊急時に、相手国に自国通貨の預入や債券担保等と引き換えに相手国通貨やドルを受け取る制度である。
この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。
「結局韓国側が日本にお願いしたような形になってしまった」
「『通貨スワップはしない!』と声高に叫んでいたのは誰だったのか」
「外貨に窮したということか?」
「尻に火がついてる状況なのか?」
「これで、日本のネットユーザーたちは韓国が屈したと騒いでいるんだろうな」
「転ばぬ先の杖ということだ」
「円は世界の主要通貨だし、世界のどこでもすぐに使える価値の高い安定通貨だ。
一方、ウォンは、韓国だけで使える通貨に過ぎないのが現実」
「またアジア通貨危機の時みたいな状況が近づいているのだろうか」
』
『
サーチナニュース 2016-08-29 07:53
http://news.searchina.net/id/1617410?page=1
日韓通貨スワップ再締結か?
中国メディア「韓国側が再締結を求めた」
日本と韓国が2001年に締結した通貨スワップ協定は、2015年2月に打ち切りとなった。
日本国内では、打ち切りの背景には日韓関係の悪化があったとの見方がある一方で、韓国では当時、韓国が経常黒字を確保し、外貨準備高も一定規模存在したことから「通貨スワップの必要性は高くない」と判断したという報道が見られた。
だが、中国メディアの匯通網はこのほど、麻生太郎財務相と柳一鎬(ユイルホ)企画財政相が27日にソウル市内で会談し、日韓通貨スワップ協定の再締結について議論を始めることで合意したことを伝えた。
記事は、「韓国が日本との通貨スワップ協定の再締結を求めた」と伝えつつ、再締結に向けて議論を始めることで日韓が合意したと報じている。
15年2月の通貨スワップ協定の打ち切り当時、韓国国内では「プライドの戦い」という見方があった。
日韓関係が悪化していたことから「韓国側から延長を提案する」ということは、「日本に対して要請した」と映ることを警戒し、その結果として打ち切りにつながったという分析があった。
一方、韓国側では15年10月にはすでに韓国の全国経済人連合会(全経連)のホ会長が「日韓通貨スワップの再開を検討すべきだ」と述べるなど、再締結に向けた要望の声があがっており、日韓がこのほど
「日韓通貨スワップ協定の再締結について議論を始めることで合意した」のは韓国側の要請に日本が応えた形
と言えるだろう。
』
『
新潮社 フォーサイト 8月31日(水)14時11分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160831-00010000-fsight-int
「通貨スワップ」、
やはり日本に泣きついていた「韓国経済」の窮状
●韓国の外貨準備も、その中身は心許ない……
8月27日、ソウルで日韓財務対話が開かれた。
最大のテーマは、いざという際に外貨を融通し合う「通貨スワップ」の復活だが、麻生太郎財務相は事前にハッキリした原則を打ち出している。
「向こうから話が出れば、検討する」というものだ。
それにしても、なぜ今ごろ通貨スワップの話が出ているのだろうか。
いうまでもない。
中国経済に大きく依存している韓国にとって、中国の景気減速は最大のリスク。
韓国の輸出は全体でも19カ月連続で減少しているが、なかでもきついのは対中輸出の落ち込みだ。
中国の減速は一蓮托生どころか、ダメージが「倍返し」「3倍返し」で増幅されかねない。
韓国の金融・株式市場からの外国資金の流出に脆い体質は変わっていない。
いざという時の備え(外貨準備)が心もとないから、日本の懐を当てにしだしたのだ。
データを確認しよう。
中国は韓国にとり貿易総額で第1位の貿易相手国。
2003年に対日貿易額を、2004年に対米貿易額を上回り、 2015年は約2274億ドルで、
韓国の貿易額全体の約25%を占める。
同年の対中輸出の割合は26.0%、対中輸入の割合は20.7%。
米韓自由貿易協定(FTA)のお陰で米国向け輸出も増えているが、中国との関係は抜き差しならないところまで来ている。
その対中輸出が2016年7月まで13カ月連続減と、不振を極めているのだ。
7月の対中輸出額を見ても前年同月比9.4%減の101億ドル強と、2ケタ近い減少となっている。
これまでの連続減少記録は、リーマン・ショック後の2008年10月から09年8月の11カ月だった。栄えあるリーマン越えを達成した対中輸出減の連続記録は、今の勢いからすると大幅な更新が見込まれる。
■ソッポを向かれる韓国製品
韓国の対中輸出1位の品目の半導体は、前年比14.3%減少した。
輸出2位のフラットディスプレイ・センサーの落ち込みは19.4%減とさらに大きく、無線通信機器も9.8%減といった具合だ。
韓国の得意とする電子部品関連が総崩れなのだ。
単に中国景気が減速しているばかりではない。
韓国製品がソッポを向かれている。
韓国紙『中央日報』(6月29日)はこんな風景を伝える。
▼:韓国電子業界の中国での実績は良くない。
サムスン電子の昨年の中国での売上高は約30兆ウォン(約3兆円)と、2年前(約40兆ウォン)に比べ10兆ウォン減った。
LG電子も同様だ。
▼:北京市内や中国のテレビで、サムスンギャラクシー(スマートフォン)以外に韓国ブランドの広告はあまり見えない。
総合家電販売店でもサムスンやLGの製品の売り場面積は毎年減っている。
▼:サムスンやLG電子は「中国企業の低価格攻勢、中国政府による自国企業優遇」を言い訳とするが、オランダのフィリップスのように成功事例は存在する。
中国企業が価格攻勢だけという話も正しくない。
■輸出戦略の蹉跌
主力とする電子製品・電子部品ばかりでない。
鳴り物入りで始まった食品輸出でも、こんな出来事が起きている。
再び『中央日報』(8月24日)によろう。
6月に参鶏湯(サムゲタン)の中国向け輸出が始まった。
鶏肉と高麗人参などを煮込んだ韓国自慢の料理なのだが、輸出量は開始後2カ月余りで25万ドル(約2504万円)にとどまった。
参鶏湯は中華料理由来の韓国料理。
韓国でこれだけ人気なのだからと思ったからだろう。
「中国人の好みと食習慣を十分に考慮していない」仕立てだった。
800グラム入りのレトルト1パック当たりの高麗人参含有量は6~10グラムの韓国国内向けと違い、中国輸出用は3グラムにすぎない。
これでは、参鶏湯の味をしっかりと出すのが難しい。
普通は輸出品には工夫を凝らすはずなのだが、これでは中国の消費者にソッポを向かれるのもやむを得まい。
韓国産のコメもしかり。
輸出要請から7年ぶりの今年初めに中国の地を踏んだものの、初の船積みから6カ月間で237トンの輸出にとどまった。
今年の輸出目標は2000トンである。
2015年12月に5年ぶりに輸出が再開されたキムチの運命も辛いようだ。
農林畜産食品部は「年間100万ドルの輸出を」と豪語したが、2016年上半期は9万ドルどまり。目標の10%も超えられなかった。
参鶏湯、コメと同様に、中国人の嗜好を考えない輸出戦略の蹉跌があったはずだ。
■意図的にウォン安へ誘導していた韓国
リオデジャネイロ五輪の韓国選手の不振を思わせるような出来事だが、輸出の不振はプライドを傷つけられたと悲憤慷慨して済ませられる問題ではない。
見逃せないのは、韓国経済の貿易依存度の高さである。
世界銀行によれば、韓国の国内総生産(GDP)に占める輸出の比率は、2014年の時点で50.6%と極めて高い。
同じ物差しで測った日本の輸出依存度は16.2%(2013年)だから、為替変動や他国の景気動向によって韓国は「風にそよぐ葦」となる。
韓国紙『朝鮮日報』(8月22日)も、「貿易低迷は輸出への依存度が高い韓国経済には特に大きな影響を与える」と認める。
2015年に5%減少した韓国の輸出は、2016年上半期には9.9%減となり、減少幅は世界平均の2倍に達した。
企業は当面急激な為替変動による経営悪化を懸念している。
全国経済人連合会は、ウォンが10%上昇すれば企業の利益が0.8%低下するとの分析を示したという。
ここまでは同情の余地もある。
自分自身でネタバレしているのは、当局による為替介入をめぐる以下の記述だ。
「米国が今年、韓国を為替監視対象国に指定したため、政府が為替対策に乗り出すのは難しくなった」。
「意図的にウォン安へと誘導するこれまでの処方は不可能だが、投機勢力のせいでウォン高が生じ、輸出が後退することは政府として防ぐべきだ」――。
天網恢恢疎にして漏らさず。
韓国紙自身が「意図的にウォン安へと誘導するこれまでの処方」を明確に認めているのである。
米財務省は韓国とともに、中国、ドイツ、台湾そして日本を為替監視対象に指定しているが、少なくとも日本は安倍晋三政権になってからは、びた一文も円売り介入などしていない。
「意図的にウォン安へと誘導」してきたと認める、かの国とは一緒にして欲しくない。
■資本流出の夢魔
その韓国が日本に通貨スワップを申し入れてくる。
幾重にも理不尽さを感じる向きが多いはずだ。
論点を整理しよう。
まずウォン相場について。
2年前の2014年8月には1ドル=1000ウォン近辺だったウォン相場は、2016年2月には1200ウォン台まで下落していた。
ウォン安は韓国の輸出を後押しするはずだが、足元の世界経済の不振でその効果は今のところ出ていない。
むしろ韓国経済の悪化を懸念した資本流出が心配になってきた。
足元の資金繰りが不安になってきたことで、韓国側から日本に通貨スワップを打診しだしたのである。
ところが、6月の英国の欧州連合(EU)離脱騒動を機に、ウォン安のつるべ落としは一服する。
ウォン相場は持ち直し、8月半ばには1ドル=1100ウォンを突破する程度までウォン高・ドル安となる。
すると今度は、ウォン高による輸出産業への打撃を懸念する大合唱が起きる。
日本も為替変動に一喜一憂する国の1つだが、韓国の場合は喜怒哀楽がその日本とも比べ物にならないほど大きい。
ウォン高には輸出打撃の悲鳴、ウォン安には資本流出の悲鳴。
日本との違いは、資本流出による金融逼迫というアキレス腱を抱えている点である。
そこで、かの国をめぐる資本の流れを見てみよう。
今年に入り、外国人投資家は韓国株を買い越している。
米国の利上げピッチが思ったより緩やかで、グローバルな金融緩和環境が続いているおかげで、昨年に韓国株を売り尽くした感のある外国勢が、買い越しに転じたという寸法である。
それでも、自ら深入りし過ぎた中国経済のことやBrexit(英国のEU離脱)の影響が気になるのだろう。
日本から見るとどうかしているんじゃないかと思うくらい、韓国の当局も民間も資本流出の夢魔に怯えている。
■韓国「経常黒字」の実態
韓国の金融界に衝撃を与えたのは、リスク忌避性向が強まった時の資本流入を分析した、「1994~2015年のグローバル危険反応指数(the global risk response index)」である。
2016年7月19日、韓国銀行(中央銀行)が主催しソウルで開いた「小規模開放経済の金融政策運営(Monetary Policy Making for Small Open Economies)」と題するシンポジウム。
そこでニューヨーク連銀のリンダ・ゴールドバーグ副総裁が紹介した。
それによると、分析対象の59カ国のうちで、韓国の感応度は実に58位。
最下位にはロシアを残すのみの、ブービーである。
韓国は国際金融不安が高まると、最も資本流出に見舞われやすい国の1つなのである。
それでも、経常収支の黒字が積み上がり、GDP比では実に8%に達し、経常赤字に悩む米国の逆鱗に触れるほどではないか。
そんな慰めの言葉の1つもかけてみたくなる。
何しろ今年6月の経常黒字は121億7000万ドルと、単月としては昨年6月の118億7000万ドルを上回り、過去最大となっている。
ところが、韓国の当局も民間も、この黒字の実態をよく知っている。
その実態とは、輸出以上に輸入が落ち込んだことで、差し引きの黒字が拡大する「不況型の経常黒字」にほかならない。
先述したように「不況型の黒字」は中国や日本とも共通するが、輸出依存度が高いぶんだけ韓国の方がきつい。
いざという際のためには、世界第7位と誇る3700億ドル強の外貨準備があるではないか。
これまた励ましたくなるが、その中身は下表の通り。
最も安全性が高く換金が容易な国債の比率は4割に満たない。
政府機関債が2割強、社債と資産担保証券(ABS)を合わせると3割になり、株式での運用も6%余りある。
これでは「いざ鎌倉」という際に、役に立つのだろうか。新興国からの資本流出が目立った昨年 後半から今年初めにかけて、韓国の外貨準備運用に対しては、国際金融界からそうした疑問の声が高まった。
■外貨準備は「張り子のトラ」
そうした指摘がよほど堪えたのだろう。
今年6月の韓国銀行の「年次報告書」は、89頁に釈明の注釈を載せている。
その意は多としたいが、疑問が払拭できたとは言い難い。
曰く、「国際金融市場において、政府機関債やABSの流動性は、国債に匹敵する」。
本当だろうか。
リーマン・ショック前後の局面では、米国の政府機関債やABSの市場が凍り付いてしまったことを、よもやお忘れではあるまいに。
曰く、「社債は高格付けを持つ、優れた金融機関や企業発行のものにのみ投資しており、それ故にいざという際の売却が可能である」。
国際金融不安の際にまず二進も三進も行かなくなるのが、巨大金融機関であることはこれまたリーマン後の経験だ。
それだけに、説明を聞くと余計に不安がこみ上げてくる。
「優れた金融機関」に言及したのは千慮の一失で、よもや韓国系銀行のバックファイナンス(資金繰りの裏口支援)をしている訳ではあるまい。
株式については、曰く「投資適格で、大半が上場企業」という。
いざという際に売却できるという点では、株式の方がABSや社債よりは優れる。
とはいえ、金融危機の際は株価が下がっていようから、換金のための売却となると大幅な損失を計上せざるを得まい。
こう見ると、韓国の外貨準備は張り子のトラと言わざるを得ない。
■米国が日本に渡した「厄介な問題」
だから通貨スワップとなるが、中国などと結んだスワップはいずれも、自国通貨の交換に過ぎない。
ドル資金の流出が止まらなくなった段になって、中国から人民元を借りても焼け石に水である。
かくて日本に駆け込んで来たのだろうが、今までにも日本は何度も煮え湯を飲まされている。
先方の窮状を察し、手を差し伸べるのはいいが、金融不安の状況が好転すると、そんな事はケロリと忘れ、「通貨スワップは日本が頼んできたので結んでやった」などと言いだす。
「平気で嘘をつく」いや「心底、記憶を上書きする」隣人との付き合いは、とても難しい。
麻生財務相だって、「何を今さら」というのが本音だろう。
にもかかわらず、日本が再び煮え湯を飲まされるのは何故か。
★.1つは、米国の投資家はアジア通貨危機後の韓国に多大な投資をしているので、韓国経済がいざという際の歯止めが欲しい。
ドルを刷っているのは米国なのだから、米財務省や連邦準備制度理事会(FRB)が一肌脱げばいいじゃないか、と言いたくなるが、彼らは焦げ付きのリスクは負わない。
同じアジアの国ということで、日本に「ホットポテト(厄介な問題)」を渡したのではないか。
★.もう1つは、朴槿恵政権がせっかくTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を容認したのだから、
米国として韓国に経済面でのご褒美
を用意する、という間接戦略の存在が思い浮かぶ。
日本としては、日韓財務対話のプレスガイドライン(報道指針)のなかに、次のように書き込ませることで、満足するほかなかった。
「韓国政府は、2国間の経済協力を強化すること、及び、その証として双方同額の新しい通貨スワップ取極(とりきめ)を締結することを提案した」
煎じ詰めれば「韓国側から提案した」と明示することで、後々になって「日本から言い出した」などという嘘をつかれるのを封じようとしたのだろう。
ひとつの知恵ではあろうが、創造的な歴史解釈の前に有効なのだろうか。
慰安婦問題の最終決着のような出来事が、今また繰り返されようとしているようにも見える。
』
『
Record china配信日時:2016年9月24日(土) 21時50分
http://www.recordchina.co.jp/a151066.html
日本に急接近する韓国、
中韓関係に暗雲、
高まる北朝鮮の脅威で「反日」から様変わり
2016年9月23日、韓国が日本に急接近している。
在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備に反発する中国との関係に暗雲が立ち込め、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮の脅威が高まっているためだ。
慰安婦問題など歴史認識を背景にした「反日」から、韓国の姿勢は様変わりしつつある。
聯合ニュースによると、韓国の尹炳世外相は13日に長嶺安政・駐韓日本大使と会談した際、「最近は韓日間で緊密に意見交換し、協議する分野が広がっている」と強調した。
尹外相の発言は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に関する情報共有を活性化させる軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結問題を含む協力を念頭に置いたものとみられる。
日韓のGSOMIAについては、12年6月に締結予定だったが、韓国側が国内世論の反発を受け、署名直前にキャンセルした経緯がある。
稲田朋美防衛相は10日、韓民求国防相との電話会談で改めて締結を促し、韓国防相は国内世論を見極めながら協議を進める意向を示した。
日韓両国は日米韓3カ国間の情報共有の取り決めに基づき、米国を介して情報を共有している。
しかし、北朝鮮が9日に5回目核実験に踏み切ったことから、韓国内でもGSOMIAを締結し効率的な情報共有を図るべきだとの声が高まっている。
韓国国防省報道官も記者会見で「安全保障としては必要な面がある」と語った。
GSOMIAに先立ち韓国側が動き始めたのは、通貨交換協定の再開。
8月27日、ソウルで開かれた日韓財務対話で提案した。
01年に始まった日韓の通貨交換協定は、昨年2月に終了した。
韓国側は
「外貨準備高も比較的十分。経済指標が良好であり、延長がなくても特に悪影響はない」
との見解を示していたが、最大の原因は慰安婦問題での日韓関係の悪化という「政治的な問題」だったとされる。
その後、韓国経済の先行きは主要輸出先の中国の成長鈍化や英国の欧州連合(EU)離脱決定などで不透明感が増し、金融市場が混乱すれば打撃を受ける懸念が強まっていた。
経済界には、協定再開が経済分野での対日関係改善の好機になるとの期待もある。
日本との関係修復には「応援団」も現れた。
保守系の東亜日報はこのほど、論説主幹名のコラムを掲載し、ソウルの日本大使館前の少女像移転を主張した。
コラムは、昨年12月28日の慰安婦問題をめぐる日韓合意の際、尹外相は
「少女像が日本大使館の安寧(あんねい)に及ぼす影響を認め、関連団体との合意下に適切に解決されるよう努力すると発表していた」
と指摘。
その上で
「沈黙する国民の中には、国家存亡の危機に、少女像で韓日関係がきしみ続けてはいけないという懸念は多い」
などとも言及している。
』
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